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10/1から、気象庁は、地震の到達時刻や震度を推定した情報を、可能な限り国内一般向けに速報するサービス「緊急地震速報」をスタートさせます。
皆さんは、「あと15秒後に最大震度5以上の地震が来ます」という速報を聞いて、自分はどんな行動をとれると思いますか?
世界有数の“地震大国”と言われている日本にとって、地震は国内のどこででも起り得ること、そして、この国に住んでいる限り、地震からは決して逃れられないんだということを肝に銘じておかなければなりません。
地震調査研究推進本部がまとめた確率論的地震動予測地図によりますと、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は、首都圏から四国にかけての太平洋沿岸地区が高いと言われています。特に、宮城県沖はマグニチュード7.5前後の揺れが99%の確率で起ると予測されています。
地震災害に対する“防災”とは、“まさか”の事態を最小に食い止めるために、“いつか”ではなく、最大限の心と物の備えを“今すぐ”しておく必要があります。
まず、各家庭での防災対策で何より重要なのが、家具の転倒防止器具やガラス飛散防止フィルム、テレビやパソコンを固定する耐震シートなどを使って、家の中の物が“凶器”とならない予防を施すことが大切です。
そして、家の耐震対策が済んだら、次は、家から脱出し、初日を確実に生きながらえるための用意です。非常用の防災セットを買っておいたから一安心…ではありません。実際、過去に被災した人たちの多くは、慌てて何も持たずに逃げているのが現状ということで、500mlの水、上下に振れば充電できるといった片手で充電できるタイプの自家発電ライト、ガラスなどが散乱した室内から速やかに逃げるための厚手のスリッパを緊急避難用の“三種の神器”として、常に枕元に置いておく癖をつけておく必要があります。
今回ご紹介する『地震イツモノート』という本は、12年前に起った阪神・淡路大震災の被災者167人の体験や考えを基に誕生した防災マニュアルです。
ただのアンラッキーと考えるのではなく防災を生活の一部ととらえ、地震に対して「モシモ」ではなく「イツモ」という“心(キモチ)”の備えをして向き合っていくことの大切さを、被災者の証言とJT広告「大人たばこ養成講座」などを手掛けたイラストレーター・寄藤文平さんの絵やデザインで体感することが出来ます。
地震の瞬間は何も出来ない…でも、その時、何を感じて、何を考えたのか…体験者の“キモチ”を読むことによって、新たに地震への備え方と工夫を理解し、考えるきっかけを与えられると思います。
この本の監修をしている渥美公秀さんは、神戸大学文学部に勤務中、自宅のあった西宮市で阪神・淡路大震災に遭い、避難所などでボランティア活動に参加したことから、災害ボランティア活動の研究と実践を始めました。
また、NPO法人日本災害救援ボランティアネットワークの理事も務め、台湾、イラン南東部、新潟中越など、国内外の災害現場に身を置いて、減災とボランティア活動に携わっています。
本の内容は、「地震がおきた瞬間」からスタートし、「地震とその直後」、「救援活動」、「避難生活」、「地震が教えてくれる未来」と5項目に分けられています。文章だけで長々と語られているのではなく、地震発生から避難場所がなくなるまでの被災者の気持ちや体験談、そして、「緊急時の手ぬぐい使用法」や「風呂の水を抜かない」といった日頃からできる防災のコツなどが、寄藤さんのイラストで分かりやすく紹介されています。
“被災”という言葉に対してイメージだけは膨らみますが、この本では本当に“被災された方”たちの“生の声”がリアルに伝わってきます。例えば…地震が起きた瞬間は
「飛行機が落ちたのかと思った。体がベッドから飛ばされて床に落ちた。タンスにしがみついているだけで、机の下に隠れるような余裕がなかった。動けない。」
とか
「空が光ったので宇宙船が落ちてきたと思った。暗い中、何かが追いかけてきたので“宇宙人だ!”と思い必死に逃げたが、実は近所の犬だった。」
という体験談が掲載されていますが、当たり前だと思っていたことが出来なかったり、普段なら“変だ”と思うフィクションをノンフィクションのように感じてしまったりということは、地震という一瞬の出来事が人の思考を止めてしまうだけの力があることを物語っているような気がします。
実際、その場に遭遇していない時にあれこれ考えるのは、どんなに考えたとしても、余裕があると思います。しかし、“いざ”という時は、今想像しているのと全く違う状況や心理状態になります。
被災した人の声や体験談からは、それがありありと読み取れます。
本では、「地震の瞬間は、何も出来ないと考える。そこからの対策。」ということも掲げられていますが、それはとても説得力がある言葉ではないでしょうか。
この本の発行元である木楽舎は、全国各地の書店と共同で、“「地震イツモノート」を読んで新潟の被災地に義援金を送ろう!キャンペーン”を実施しています。
この本の売上げの一部(一冊につき100円)が、義援金として新潟県災害対策本部に寄付されるそうです。仙台市内では、9/30(日)まで、紀伊国屋書店仙台店や未来屋書店各店で行われています。
災害が起きたときには意識が高まるものの、すぐに忘れてしまうのが「防災」です。
365日が常に“防災の日”であり、いつ地震が起きても不思議ではない状況ということをしっかりと認識しつつ、この本を何度も定期的に読んでみるのも大切かもしれません。
投稿者 : 番組スタッフ | 投稿日 : 2007年09月25日
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