<12月28日>2008年を振り返る
今年最後の番組は特別企画で、前回の宮城県沖地震から30年の節目の年だった2008年を振り返る。
中国四川大地震はじめ国内では6.14岩手宮城内陸地震、7.19福島県沖地震・津波注意報発令 、7.24岩手県沿岸北部地震など地震災害の多い年だった今年を振り返り、その教訓について放送。
出演は東北大学教授 今村文彦氏、仙台市地震防災アドバイザー 大田千尋氏
栗原市社会福祉協議会事務局長 曽根金雄氏

<12月21日>インド洋津波でのマングローブ減災効果について
今年7月に仙台湾沿岸での防潮林(林帯)の津波等の災害に対する減災効果についてお話ししました。
この防潮林・植生帯の効果について、2004年スマトラ沖地震インド洋大津波の際にも報告されています。
個々の地域では、マングローブやヤシの木になります。背後の家の破壊が軽減された。
漂流物が抑止された。木の上に捕まって命が助かった。などの報告があります。ただし、津波の規模が大きくなると破壊され、その一部が漂流物となって、背後地を襲ったいう例も報告されています。
破壊されてもこのような状況にならないように、十分な幅の確保が重要です。
今後、このような植生帯を確保さらには拡大するためには、多様な防災機能に加えて、以下の視点が重要であると言われています。
整備費が安いこと(低コスト)
有用な生物資源があること(木材、果実)地域住民に対するメリット
環境緩衝機能(炭素固定、気温の緩和)
生物多様性の保全(汽水域で、多彩な生物の生息地)

<12月14日放送>インドネシアでの国際研究
日本がもつ科学技術の経験やノウハウを途上国支援に活用しようという動きは、近年注目を集めています。これは、科学技術外交の強化に向けた動きになります。
外交においてはODA(Official Development Assistance)があり。これは海外に向けた援助や出資のことです。日本は90年代を通じて2000年まで世界第一の援助国としての地位を誇ってきましたが、現在(2007年実績暫定値)は米、独、仏、英に続く世界第5位です。
97年をピークにいま低減されています(といっても7000億円)
この ODAを有効使用するための1つ政策が、科学技術外交になります。
文部科学省/科学技術振興機構(JST)と外務省/国際協力機構(JICA)は、環境・エネルギー問題、防災など開発途上国における地球規模課題の解決と科学技術分野の人材育成等のために、今年から新しい研究プロジェクトを始めました。
「地球規模課題に対応する科学技術協力」として、大学・研究機関間の共同研究や研究者の派遣を通じた新たな協力の枠組みです。今年の9月に、9カ国12研究チームが採択されました。東北大学でも、インドネシアにおけて地震・火山の総合防災対策(代表:東大地震研究所)について、実施する予定です。特に、地域で利用できるハザードマップづくりやマングローブなどの減災利用を検討していきます。

<12月7日放送>昭和東南海・南海の連動地震
昭和19年(1944)12月7日、昭和東南海地震が発生。マグニチュード 8.0。震源地は、志摩半島南々東約20キロ沖の海底。この地震による被害地は静岡・愛知・三重の東海三県をはじめ、長野・山梨・岐阜・和歌山・大阪・兵庫などの各府県に及ぶ。1,223人の死者・行方不明者など大きな被害を出しました。
家屋被害や死者の多くは津波によるものです。
さらに、2年後の1946年12月21日、四国沖の南海道地震が発生。
海溝型地震である東南海、南海地震は、歴史的に見て100年から150年間隔で、マグニチュード8程度の巨大地震を発生させています。
先日11月、高知市に地震津波対策の為に、行って参りました。
ここでは、地震の断層運動により、地盤が沈降し、そのために浸水が市内で発生しています。その後に津波が来ており、深刻な被害を出しております。
昭和東南海地震では、東海地震の想定震源域が未破壊のまま残り、昭和南海地震は、それ以前に同地域で発生した地震に比べ、やや小さい規模で、今世紀前半にも、当該地域で巨大な地震が発生することが懸念されております。

<11月30日放送>共想法について
写真を使った連想記憶術です。
写真などを手がかりに会話や議論を始め、記憶が呼び戻され、将来の議論にも有益につながるものです。認知症などの治療の分野で注目されていますが、防災でも役立ちそうです。
特に、初対面どうしでのコミュニケーションをとったり、普段関心のないテーマなどを話し合う場合に、議論の導入の際に、課題があります。そこで、テーマに即した写真や品物を持ち寄って、これを話題・議題のきっかけにするというものです。
自分の体験や経験を出発点とすると、出来事を時系列で覚える「エピソード記憶」が強化され、グループで発表することにより、複数の事柄に注意を配る「注意分割力」さらに、準備することや、今後の課題を話し合うことで、計画を立てる「計画力」が強化されます。
これらは、認知機能の中でも重要なものであると言われています。を刺激する東大・大武美保子准教授(サービス工学)さんなどが提唱、NPOほのぼの研究所と連携し、認知症の予防をする、また、治療をすることに役立てています。これは、防災ワークショップやハザードマップ作りでも役立ちそうです。

<11月23日放送>波の性質
大分前に、「波を知る」を紹介させてもらいました。
本日は、その続きです。
地震動(波)も津波も波動運動です。このユニークな性質を紹介します。
まず、波は縦波と横波に分類できます。
変位する方向と伝幡する方向が同じである波が縦波、直角なのが横波です。
地球の内部から伝わる地震波の中で、上下にゆれるのがP波で縦波です。後から来る横揺れの波はS波で、横波です。
P波とS波の間に、長周期波(200-1000秒)が発見されw波と呼ばれて、津波予測に役立つのでは、と注目されています。
津波は、どちらの波でしょうか?
答えは、横波です。津波の水面は、上下方向で、伝わるのが水平方向であるからです。
水粒子(水表面浮いているゴミ)など、形(波の山谷)、そしてエネルギーです。
津波はこの3つの速度を持っています。
よく、縄跳びの縄を2人で両端を持ち、一方から波を起こします。波は伝わりますが、縄は持ったままになります。
特に、知っていただきたいのが、津波は、波の形を伝えていると言うことです。
チリで発生した津波は、形をチリ沖から日本へ伝えていきます。
しかし、チリ沖にある水を日本まで運んだわけではありません。

<11月16日放送>津波体験館のリニューアル構想
唐桑半島の先端にユニークな施設があります。津波体験館です。
昭和59年に開設され、平成3年には年間7万人を超えました三陸海岸に特に関係の深い「津波」をテーマにした映像があり、さらに映像・音・振動・風で津波を体全体で擬似体験ができるものです。
振動台の上に座ります。
隣接するビジターセンターには展示もあり、過去の津波による悲劇を風化させないで今後に、語り継ぐことを目的としています。
これまでの歴史の経験から、いざというとき、どのように行動したらいいのか等についての防災意識をもってもらうものです。
ただし、平成8年当たりから入場者数は低減し、4万人を切り、平成18年には1万4千名になりました。いま、この施設のリニューアルが検討されています。以下のような議論がされています。津波来襲時の身の処し方が分る解説を導入する。東北大の支援を受け、最新の地震観測データを含めた科学・技術の紹介や体験の語り部を置く。防災教育についての研修の実現を図る。東日本唯一の津波防災研修、学習施設としての展示資料の検討。津波への地元の取組、約30漁港にある豊漁・安全祈願の祈りを活かす。

<11月9日放送>北京での学会
10月13-16日の4日間にわたり、北京で国際地震工学会議が開催されました。
地震災害に対する技術開発・普及を目指したもので、世界最大の国際会議です。
4年に1度開催され、今回が14回目です。
第一回は、サンフランシスコ、第二回は、東京で開催されています。
今回は、発表者だけで、3500名(内中国648、日本732、米国421,イラン410、イタリア179、インド152、トルコ99、メキシコ78、台湾62、など)を超えております。
世界地震工学会議は、地震工学の分野で最も影響力を持つ国際会議で、今回初めて中国で開催されました。会議は4日間にわたって行われ、基調講演や論文発表、写真展などが予定されています。今回は、今年5月に中国の四川省で起きた大地震と、2004年にインド洋津波を引き起こしたスマトラ島沖地震などの破壊型地震が議論の焦点でした。
開会式に出席した中国の回良玉副首相は各国に対し地震工学における交流を強化するよう求めました。
また、中国政府として、地震対策技術を向上させるために世界各国、国際機関との協力を強化し、経験を分かち合っていく、と発言しております。展示もすばらしく、特に、四川大地震の被害や現在の復興状況の写真が100m以上にわってありました。

<11月2日放送> 防災教育の現状
先日、出前講座に出かけてきました。益々減災上、学校での防災教育は重要です。
昨年11月のアンケートによると、宮城県の防災教育の実情は。
防災教育の指導計画があるのは9割以上、また行事・特別活動で小9、中5割、高2割、しかし、授業の中では2割以下。
実践例としてどこでどのような防災教育が行なわれているのか。
附属小学校:防災チャレンジプランに応募、「99%!本当にやってくる宮城県沖地震~みんなの力で立ち向かえ~」
仙台市内鶴ヶ谷中・西山中:避難所運営
気仙沼市波路上中学自らの防災学習(年40時間ほど、)各学年で考える。既存の教科との連携、仙台西高での取組などがあります。
今後の防災教育を進める上での課題、地域との連携。
学年にあわせた内容にすること。幼稚園から高校まで、発達段階に応じた教育プログラム。今年、みやぎ防災教育基本指針を作成しています。

<10月26日放送> 中越地震 歪み集中帯とは?
2004年10月23日に発生した中越地震から4年が経ちました。
中山間部での大被害人的被害が大きかった:死者が30名以上、けが1、700名(675名、宮城県北部の3倍)、火災11件(3件、3倍)、避難数10万人(3千人、30倍)、一方、住宅被害5千棟(16千軒、3分の1)、31名、地震動の直接原因:15名、ショック死、病気悪化:15名、直後のケアが大切
現在、その地震のメカニズムなども継続して研究されています。
そのキーワードが「歪み集中帯」です。歪みとは?世とからちからを加えたときに生じる形や体積の変化。
最近のGPSの調査で、日本列島の殆どが縮んでいることが分かっています。
縮みの大きい場所は、プレートが沈み込んでいる太平洋側に多く見られますが、新潟付近から南西方向に縮みの大きい地域が帯状に連なっているのが認められます。
この帯状の地域は、近畿地方まで連なっており、「新潟ー神戸歪み集中帯」と呼ばれています。
GPSによる歪み速度の分布と1586年以降に発生したM7以上の大地震の分布を重ねてみると、内陸で発生した大地震の多くが歪み集中帯に沿って発生していることが指摘されています。
2004年新潟県中越地震や2007年新潟県中越沖地震は、歪み集中帯で過去数百年間に大地震が発生していなかった地震空白域で発生しました。

<10月19日放送> 作並温泉街での避難訓練について
9月30日、仙台市内では初の温泉街での避難訓練が行われました。
10月からスタートしている仙台・宮城デスティネーション・キャンペーンに伴い、他県から来仙する方々が、より安全に安心して過ごしていただけるよう観光客などを対象とした避難誘導訓練を行ったものです。外国人への対応のシミュレーションも行われました。

<10月12日放送> 新刊の紹介
秋は、食欲に加えて読書の楽しみな季節です。
防災に関する一冊を紹介したいと思います。
これからの防災・減災がわかる本/著者:河田恵昭教授、岩波ジュニア新書から8月に出版
河田先生は、人と防災味蕾センター長であり京大防災研の教授です。
学生時代に、山登り(ワンダーフォーゲル)をされていましたが、これが「自助」さらには危機管理の原点だそうです。
4年生の時に、九死に一生を得えまして、今の防災研究を始めるに至ったようです。
本書は、ジュニア新書ということで、読みやすい書き方で、具体的な内容がわるので実際に役立ちます。
家で、学校で、外出先で、もし災害に遭ったら?世の中進んでいるはずなのに、大災害が増え、被害も拡大しています。
その中で、命と財産を守る「減災」社会に変えていくにはどうしたらよいか。
単なるハウツーではなく、災害のメカニズムを知り、適切な危機管理能力を身につけ、みなさんが自分で考えて行動できるようになるための1冊です。
目次は、以下の通りです。
1 最近の日本の災害となぜ被害が大きくなったのか
2 最近の世界の大災害となぜ被害が大きくなったのか
3 風水害を変える地球温暖化
4 なぜ災害が起きるのか-地震と津波
5 防災対策から減災対策へ
6 減災の原点は自助・共助・公助
7 役にたつ危機管理
8 事前対応と事後対応
9 いま心配な巨大災害
10 社会を変えるのはきみたち-ユビキタス減災社会に向けて

<10月5日放送> 第3回 サバ・メシ コンテスト盛況に終了
167通ご応募頂き、第一次審査通過の23チームが、28日(日)、第2審査を行いました。
本日は、この様子を紹介します。
今年は、みやぎをとり、全国からの応募にしました。
また、会場を野外(仙台東二番町小学校)にしました。
「楽しく学べる防災ぐっず」トークライブ・地震体験車「ぐらら」で地震体験・防災グッズ展示コーナー・その他、身近な防災に関する情報提供しました。
グランプリ 1名・優秀賞 2名・ビタール・クック賞・アイデア賞 1名・サ バイバル賞 1名を選考しました。

<9月28日放送> 荒砥沢ダムの対応
岩手・宮城内陸地震から3ヶ月が過ぎました。地震動が強く地盤災害が甚大であったのが特徴です。
いま、各地で復旧活動がされていますが、最も困難な被害が崩壊した地域の回復です。例えば、山塊崩落で大量の土砂が流入した荒砥沢ダム(栗原市栗駒)があります。
ダム方向に流れた土砂は422万立方メートル。ダムの有効貯水量は1284万立方メートルで、このうち150万立方メートルに土砂が堆積(たいせき)したことになります。
ダムの貯水機能の10~25%が失なわれたことになります。
ダムの機能が低下(利水、治水)するので対応策を考えなければなりません。
まず第一に、土砂の撤去があります:3分の1の50万立方メートル
第二に、ダム下流部に調整池を設けることです。
地盤災害の復興は大変です。

<9月21日放送> サバメシ 一週間前
28日の本審査まで得あと一週間になりました。
第3回サバ・メシ コンテスト2008がいよいよです。
28日の本番に向けて、23作品を選びました。
審査基準は、実用性、アイディア性、サバイバル性、おいしさ、材料・費用、料理器具などを考慮します。
審査委員は、村井知事、相原チマさん(料理研究家)、それに、今村です。

<9月14日放送>
JICAの研修生と津波対策や研究成果についてAthanasius Ciptaさんインドネシア火山研究所バンドンにあります。
津波の堆積物なども調査
Sorot Sawatdiraksaさん、タイ気象庁プーケットで仕事されています。
昨年の10月からつくばの建築研究所で研修(地震と津波)が始まりました。
今年、6月2日仙台に来られました。約3ヶ月の研修を実施しています。

<9月7日放送>
IAESTEの研修生,チュニジアからの大学生Hela SEKMAさん
National school of Engineers of TUNIS(ENT)
7月1日から研修開始
保田真理さんの家にホームステイ
保田さんは,サバメシ・コンテスト2回入賞,防災士取得,地域でサバメシなどを通じた地域防災活動を支援

<8月31日放送>WPGM会議
  先月後半に、オーストラリア・ケアンズでWPGM西太平洋地球物理学会が開催され、参加してきました。
ここでは、地震、津波、火山、気象など、様々な現象がテーマです。
地震津波では、2004年のスマトラ地震・インド洋津波の発生以降、活動が活発化しています。スマトラ、ジャワ、ソロモン、千島列島など、多く発生しています。大きなテーマとしては、スマトラ沖地震など超巨大地震などが、どこで、いつ発生するかです。可能性としてあるのは、以前としてスマトラ、ジャワ、さらにはパキスタン・イラン付近のMakranという場所です。今後、危険性や地震の活動に注目して研究がされる予定です。
  さて、10年前の平成10年7月17日(金)に、M=7の地震により発生した。
津波が沿岸を襲い、確認されただけで2,500名を越える犠牲者を出しました。
実際はそれ以上だと思います。
20世紀最大の津波被害としては我が国の昭和三陸大津波がありますが、これに匹敵または上回る災害でした。パプアニューギニア・アイタペ地震・津波の10周年でした。
  同時、災害発生と同時に情報収集を始め、国際調査チームを編成し、パプアニューギニアへ行きました。
その結果、わずか20km程の沿岸区間で津波波高の集中化し、最高15mを超える津波高さが分かりました。地震による被害は小さかったですが、津波により沿岸の集落は流されてしましました。これはM=7クラスの地震では、発生できない規模の津波です。
  地震の規模に比べて大きな津波を引き起こす地震を「津波地震」と呼ばれます。原因はさまざまありますが、今回は海底での地滑りが関連しているのではないか、と言われています。
  当時、住民の4割以上が津波により亡くなった集落もあり、地域社会に大きな打撃を与えました。どこに住めば安全なのか?そのような対策を取ればよいのか?どのように地域を復興したらよいのか?住民に地震や津波について知ってもらいには、どのようにしたらよいのか?などが大切なテーマです。
内陸に移動した集落も落ち着いたようです。

<8月24日放送>津波はかせ
「津波って?」という子どもたちの問いに答えられるような装置があればなと思っていました。
始めは、地震ぶるる(名大福和研作成)の延長で「津波ぶるる」という名前でした。
平成16年に、北海道理科教育センターの装置を参考に水槽式で試作したのが、一号機でした。その後、改良に改良を重ね、平成19(2007)年にようやく、全体を水密性として、水を入れたままで運ぶことができ、海底地形を、折曲り式とし、マグネットで自在に変えられます。
天井から浮きや人形などを操作できて、津波はピストンで発生させられるなどの機能を持たせた「津波ぶるる」となりました。
昨年の後半から今年の始めに掛けて、この装置(「津波ぶるる」)に、津波として送り出す水の量を多くし、海底地形(装置の底)から空気の泡を出して、「津波」による水の動きを観察しやすいようにするなどの改良を加えています。
今年6月11日には、県庁で初お目見えしました。
県庁18階広報展示室において、「地震・津波防災パネル」の展示や「1978年宮城県沖地震」のビデオ放映など来訪者の防災意識の啓発・向上を図る場でした。見学のため来庁した気仙沼市立大島小学校の小学生などに披露いたしました。

<8月10日放送>仙台湾での防潮林の津波低減効果について
仙台湾沿岸での防潮林(林帯)の津波等の災害に対する減災効果を評価します。
将来発生するとされる宮城県沖地震にともなう津波災害に対して、仙台湾沿岸に所在する県(森林整備課)所管の保安林(以下、防潮林)が、効果的に減災効果を発揮するための整備手法を検討します。
本対象地域では、空港関連施設、交通インフラ、レクレーション、農地など多彩な利用形態があるためこれらの状況を考慮し、対策事業としての防潮林の活用に向けての検討を行う。
具体的には、対象津波に応じた事業規模レベルを設定し、再造林、砂丘帯、貞山堀(人工構造物)など複合的な対策を総合的に検討する必要があります。
防潮林内樹木の特性値を把握するとともに、防潮林の平面的な欠損の有無や防潮林背後地の利用形態を重点的に調査します。
防潮林の幅は約300m、狭くなっているところもあります。場所によって、黒松の樹齢や植生密度などが異なります。仙台湾での防潮林の歴史は古く、伊達 正宗の時代に遡ります。
さらに、昭和8年三陸津波の際にも、県内での防潮林を拡大するために植林作業が大々的に行われました。
先日、予備調査と本調査を行ってきました。

<8月3日放送>福島県沖地震・津波注意報発令について
19日午前、福島県沖を震源地とするマグニチュード6.6の地震があり、気象庁は午前11時41分に宮城県と福島県の沿岸に津波注意報を出しました。
震源地は牡鹿半島南東120キロの福島県沖で、震源の深さは約10キロ、予想される津波の高さは高いところで50センチに達する見込みでした。
気象庁によりますと沿岸各地の「津波到達予想時刻」は▽宮城県が午前11時50分、▽福島県が午後0時10分でした。
しかし、午後零時16分ごろから津波が観測され始め、宮城県石巻市鮎川と仙台港、福島県の相馬などで最大20センチに達した。午後1時20分に注意報はすべて解除されました。
この日はほとんどの小中学校が夏休みの初日で、梅雨明けも発表されたばかり。突然の津波注意報に、海水浴客らはあわただしく避難する一方で、注意報の解除前に砂浜に戻る姿も見られるなど、防災意識の低さが目立ちました。仙台市若林区の深沼海水浴場では、約300人の海水浴客のほぼ全員が地震発 生から15分後には、約200メートル離れた防潮堤まで避難しました。

<7月27日放送>岩手北部沿岸地震
陸側に沈み込んだ太平洋プレート内部で、東西方向に引っ張る力が働いた「正断層型」の地震。
ただし、メカニズムは逆断層の可能性もあり(ハーバード大学の解析)
プレート内部地震で、1993年1月の釧路地震と同じ。
震度6強が岩手県洋野町「大野、6弱が八戸市内、八戸南郷、五戸、階上(青森)、野田(岩手)
岩手県で震度6強が出たのは、1994年の三陸はるか沖地震以来。
気象庁は地震発生の20。8秒後、岩手県沿岸部で震度5弱の揺れを予測し、一般向けに緊急地震速報を発表した。震源が深い地震で大きく揺れることは少なく、予測とずれが生じたようです。

<7月20日放送> 復興について
1月に災害復興学会について紹介いたしました。
本日は、この復興の課題について話したいと思います。
復興の基本は、すまい、くらし、つながりを戻すことです。
建物が破壊され避難所生活している状態から、住宅を再建する。
つぎに、収入をえるための仕事を戻す必要があります(農業、観光業、林業など)、最後が、隣人、地域の人々のつながりを戻すことです。
バラバラに避難されることもあります。また、元の同じ場所に戻れるとは限りません。その中でも人々の交流や関係を維持することは大切になります。
さらに、復興を推進する課題は4つあります。
復興構想ビジョンをつくる
復興戦略、いつ、どのように、なにをするか?
復興制度:復興財源の確保、公的支援、復興基金、再建共済などさまざまあります。
復興運動:地域の内外の方と連携をとる。支援者(ボランティア、支援)と受援者との連携、専門家との連携も大切
・栗原市の佐藤勇市長に岩手・宮城内陸地震被害の状況や今後の復興についてインタビュー

<7月13日放送> 岩手・宮城内陸地震 1ヶ月経ちました
震度は6強を2箇所で記録、最大加速度も4022galを記録しています。
上盤側の断層上で大きな被害がでました。
斜面崩壊(崖崩れ、土砂崩れ、30度以上の角度、5・の高低差)
<=>地滑り(荒砥沢ダム上流)
東北学院大の宮城豊彦先生の推定によれば、1.5kmx800mx80m 6,000万m3(東京ドーム48杯)
河道が閉塞し、土砂ダムを形成、多いときには17箇所にも及びました。
今後も、上流の水量が増し、土砂ダムは不安定などで崩壊する可能性が高いのです。
なぜ、対応が難しいかというと?
アクセスが悪い、重機が使えない、人海戦術で、幅や高さが大きい場合がある。
地滑りにより津波も発生しました。
土石流も発生、駒ノ湯温泉を飲み込み、対岸の斜面崩壊が河道に入り、進路を変更した結果、温泉宿に土石流が向かう結果となった。地震発生後10程度と言われる。これは山津波とも呼ばれます。

<7月6日放送> 余震について
岩手・宮城内陸地震でも余震活動が続き、救命活動や復旧活動に影響を出しました。
いまでも続いており、心配の種です。
余震(よしん)は本震とは同時に発生せず、時間が経った後に来る地震です。
規模は、本震以下が通常ですが、例外もあります。
比較的大きな地震が発生すると、その近くで最初の地震より小さな地震が続発する傾向があります。
本震の発生により地殻・岩石が不安定な状態になり、それを解消するために余震が発生すると考えられています。
最近の地震では、2004年中越地震が一番多かった事例です。
今回は、余震の回数としては、2番目の多さです。
1995年兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)よりも多いのです。
今回、マグニチュード4以上が50回以上もありました。
期間も数日から数ヶ月と地震によりまちまちです。
最後に、余震の起きる場所を余震域といいます。
本震発生後から1日程度までの余震域は、本震で破壊された領域(震源域)とおおむね一致しますが、余震域はその後だんだんと広がっていきます。

<6月29日放送>
山古志村の復興を描く!「マリと子犬の物語」の猪股隆一監督をゲストに迎え、映画の作成のきっかけ,苦闘話、災害の大変さ、住民との協力、復旧・復興の思いについて紹介。

<6月22日放送>平成20年岩手・宮城内陸地震
両県の県境、内陸型地震、極浅い直下型地震、東西圧縮場における逆断層地震、ただし、余震の一部は正断層もある余震活動も活発。
M7.2に修正、阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)とほぼ同じ規模 面積(長さ60km、幅20km)
位置は、過去に断層の発見されていない場所、北上低地断層帯の南に位置する
<=>今度の評価において、震源を特定しない方法も考慮してくであろう。
震度は6強を2箇所で記録、最大加速度も2040galを記録。この値は要チェック。
上盤側の断層上(大きな被害、例えば:斜面崩壊(崖崩れ、土砂崩れ、30度以上の角度、5・の高低差)
<=>地滑り(荒砥沢ダム上流)東北学院大の宮城豊彦先生の推定によれば、1.5kmx800mx80m 6,000万m3(東京ドーム48杯)
河道が閉塞し、土砂ダムを形成、17日現在で、14箇所
今後、上流の水量が増し、土砂ダムは不安定などで崩壊する可能性が高い。
なぜ、対応が難しいか?アクセスが悪い、重機が使えない、人海戦術で、幅や高さが大きい場合がある。
土石流も発生、駒ノ湯温泉を飲み込み、対岸の斜面崩壊が河道に入り、進路を変更した結果、温泉宿に土石流が向かう結果となった。地震発生後10程度と言われる。これは山津波とも呼ばれます。
多大な犠牲者(死者行方不明者22名)1978宮城県沖地震以来の人的被害中山間部での孤立化、復旧・復興の困難、避難所の環境、動物(ペットや家畜)の対応、風評被害(県内秋保・作並、松島)、課題:土砂に埋もれた方の救出方法(雪崩と同じでは)、土砂ダムの軽減対策

<6月15日放送>岩手・宮城内陸地震特別番組
6月15日は7:55~8:30で「岩手・宮城内陸地震特別番組」を放送。
ゲスト 仙台市地震防災アドバイザー 太田千尋氏を迎え栗原市災害対策本部や現地調査中の東北大学今村文彦教授と電話を繋ぎ、レポートを入れながら地震関連の続報を放送。
出演は板橋恵子、高橋英彦

<6月8日放送>みやぎラジオプロジェクト~宮城県沖地震から30年
『ラジオで減災~「備え」があなたの命を守る!』
宮城県沖地震を体験した方々のお話しとともに、30年前の地震のメカニズムなどを改めて紹介。また、Date fmが主催する非常食のコンテスト「サバ・メシコンテスト」のグランプリ受賞者を招き、災害時をイメージして備えることの大切さを紹介する他、災害弱者となる外国人への取り組みも紹介する。出演は、今村文彦さん(東北大学災害制御研究センター教授)、京英次郎さん(初代・仙台市地震防災アドバイザー)、板橋恵子(Datefm)

<6月1日放送>宮城県沖地震 体験談
昨年行われた第2回みやぎサバ・メシコンテストで「~家族の想いをぎゅっとつめて~‘フライパンで簡単中華まん’」で参加、ビタールクック賞を受賞した未来の仙台を考える会の防災士福田宏子さんをゲストに迎えて、30年前の宮城県沖地震の体験談を伺った。
福田さんは当時、妊娠中で地震後の生活に困り大変だった経験や北海道南西沖地震も体験したことから防災に対する意識が高く、未来の仙台を考える会を立ち上げたことを紹介していただいた。

<5月25日放送>中国・四川大地震
地震のメカニズム 2008年5月12日に発生、インド・オーストラリアプレートがユーラシアに沈み込んでいる周辺でした。
海溝型地震ではなく内陸地震。M.7.9=>M8に修正、阪神淡路大震災の20倍以上、逆断層型、断層の長さが300kmにも及びます。
中国・四川大地震では、日本列島がすっぽり収まるほどの広範囲。震源から約140キロと比較的近い綿陽では日本の震度に換算して6弱程度と見られます。
被害状況としては、
・大被害は実態把握に時間がかかる=>救援の遅れ
・産業の発展とは逆に住環境の整備は後回し:社会基盤整備の遅れ、7000棟近い校舎倒壊 中国、違法建築調査+建物固有周期と地震動の対応
・耐震化など事前の防災の備えが不足
その後、心配なのがダム崩壊の危険、四川省803のダムで亀裂、緊急日案した場所もある、天然・土砂ダムの形成、雨期での地滑りさらに、感染症などの懸念されます。
我が国への教訓としては以下の3つがあります。
耐震化率、天然ダムなどの2次被害の防止
被害実態を如何に早く把握するか?
ボランティアなどの受け入れ体制

<5月18日放送>
本日は、宮城県沖地震の体験談として、現在、若林区消防団団長をなさっている星千賀雄さん(当時30代)に伺いました。

<5月11日放送>仙台メディア防災勉強会
先週は、「宮城県沖地震の再来に備えよ」から当時の体験談を紹介しました。
本日も本からと仙台メディア防災勉強会(4月26日)による巡検での話を紹介します。

ショックを受けた子どもたちを紹介しました。
自分が助かっても、家族や友人に怪我をされたり亡くなりますと大きな心の傷になります。
本の中でも、長女の同級生が死亡した話があります。
近くの店に自転車で買い物に行く途中、ブロック塀の下敷きに。一人はなくなり一人は怪我をされました。亡くなった子どもは、持っていた自転車を守ろうとして逃げ遅れ、下敷きになったそうです。怪我をした子は、自転車はどうでも予と思って逃げ出そうとしたところへ、ブロック塀が倒れてきて、ちょうどハンドルの隙間に入ったので怪我で済んだそうです。
防災勉強会では30年前の影響の跡を拝見してきました。
実感を持ち、過去の地震の影響を観ることが出来ました。
・事東北工業大学では、前の耐震化の効果(事後は高くつく)、事業継続の重要性
・太白区緑ヶ丘での地滑り箇所の現在は空き地です。過去の地形を見ると沢でした。

<5月4日放送>宮城県沖地震を振り返る
1.体験談(宮城県沖地震の再来に備えよ、河北新報出版センター、応用地質と源栄先生が執筆、2004出版)
会社の家族の体験を中心に記述
・ひっくりかえった大きな家具 家具、ブロック塀の凶器
・ショックを受けた子どもたち
お母さんと二人の子ども(夕食の支度をしていた中、突然の揺れ、テレビを見ていた子ども二人を連れて外に出るのが精一杯。部屋はめちゃくちゃ、台所はガラスの海、電灯は落ちており、足がすくんでしまったそうです。大家さんの家が傾き、前野家のブロック塀が手前に倒れ、もう足ががくがく、地震直後二人の子どもは大変おびえたようです。気を取り直し、子どもに何か食べさせようと思いますましたが、二人とも何も食べません。長男は、完全に参ってしまい口がきけません。精神的なケアが大切です。

<4月27日放送>防災手拭い
1つ面白い防災グッズを紹介したいと思います。
これが、「防災手拭い」です。
手拭いは、災害時の時に、包帯として使え、タオルよりも機能的であると言われています。
この手拭いに、防災情報、さらには、備えの情報を書いているのがこの手拭いです。
防災の啓発に使え、さらに、いざという時、地震などの災害時に大活躍するすぐれもの
この特徴は、いざというときに役立つ情報が分かりやすいイラストで紹介されています。
防災グッズ編と地震編があります。前者は、非常用持ち出しや、備蓄品がイラストで描いています。
地震編は、右側「消火器」と「初期消火」地震の震度やそのときの状況というどちらかといえば「知識」的な内容と左側には屋内外での地震時の対応、家族での日頃の心得などがまとまっています。
さらに今回、津波編を作成しました。津波工学研究室のPR手拭いでもあります。
是非、ご覧いただきたいと思います。
こしぇる工房
http://add-shop.jp/

<4月20日放送>地震調査研究本部
本部長は文部科学大臣です。
平成7年1月17日阪神・淡路大震災は、約6,400名の死者を出し、10万棟を超える建物が全壊しました。
戦後最大の被害をもたらすとともに、我が国の地震防災対策に関する多くの課題を浮き彫りにしました。これらの課題を踏まえ、平成7年7月、全国にわたる総合的な地震防災対策を推進するため、地震防災対策特別措置法が議員立法によって制定されました。
地震調査研究推進本部は、同法に基づき総理府に設置(現・文部科学省)された政府の特別の機関です。
地震に関する調査研究の成果が国民や防災を担当する機関に十分に伝達され活用される体制になっていなかったという課題意識がありました。
地震に関する調査研究の責任体制を明らかにし、これを政府で一元的に推進するためのものです。
ここでは、政策委員会と地震調査委員会があります。
地震調査委員会、毎月定期的に開催し、調査観測結果や研究成果を整理・分析して地震活動を総合的に評価するとともに、その結果を公表しています。
また、被害地震が発生した場合や顕著な地殻活動が発生した場合等には、臨時会議を開催し、地震活動の現状や余震の発生確率等について評価を行っています。
予算は19年度で177億円
平成12年に国の地震調査研究推進本部地震調査委員会から宮城県沖地震の長期評価が発表されました。
全国を概観する地震動マップも作成しています。
HPが先日新しくなりました。
・地震調査研究推進本部 http://www.jishin.go.jp/main/

<4月13日放送>今年度の予定について
チャレンジ防災講座について
地域・学校での安全と安心を確保するために、新しい地域と学校の連携プログ
ラムを考える。さらに、何かを提案しよう、というのがテーマです。
・場所 エル・パーク仙台 セミナーホール1・2
・時刻 18:00開場 18:15~開始 講演1時間弱、質疑30分
講演1時間、少人数でのディスカッション、実技・実演も含む
5月29日(木)「山古志村の復興」を描く!:マリと子犬の物語猪股隆一監督予定
6月26日(木)認知心理 in 災害:仁平義明先生・邑本俊亮先生
7月17日(木)阪神淡路の教訓ー大学での危機管理及び防災教育:神戸大・沖村孝教授
9月18日(木)防災教育 in 理科教育:NPO Natural Science予定
10月23日(木)防災教育の展開:東北大学佐藤健先生、山大・村上良之先生
海外は、8月上にオーストラリア、8月末、インドネシア・パダン、10月に北京(国際地震工学会)
今年は、6月12日に宮城県沖地震の30周年を迎えます。5月からこの番組でも当時の教訓を整理し、皆さんに紹介したいと思います。

<4月6日放送>災害復興学会の発足
今年になって始まった取組の1つを紹介します。
1月13日関西学院大学で、日本災害復興学会の発足がされました。
この学会の目的は、予防・減災だけでなく発災後の復旧や復興をどのように計るかを議論することです。
復興の視点は、被災者の生活や住宅だけでなく、被災地コミュニティの再生という点があります。さらに、傷ついた心の回復という点も忘れてはいけません。
この復興は、何年も場合寄っては何十年もかかります。
初代会長は、室崎益輝氏で元神戸大学教授です。現在は総務省消防庁消防研究センターの所長をされています。
特に、3つの点を強調していました。
1つは、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震の教訓を文化にするということです。
復興してよかったとか悪かったとか、議論しているだけでなく、社会の文化として定着させるということです。
2つは、今後大災害の時代を迎えます。その復興のプロセスで、格差の拡大など現代社会のひずみが大きく表面化してくる。そこを乗り切るための知恵を集める。
特に、少子高齢化し、地域で人口が減っていくと復興は大変難しいことになります。
3つは、被災後の復興は、次の災害への予防になるとうことです。災害サイクルがあり、将来へ向けての投資にもなるのです。

<3月30日放送>GPS波浪計設置されました
今月の18日までに、東北の太平洋側に、合計5基のGPS波浪計が設置されました。
全国では他に、和歌山、高知、三重に設置していますので、合計8基になります。
PSセンサーを搭載した海上に浮かぶブイのことで、簡単に言えば、カーナビや携帯電話についているGPS機能が”浮き”についているもの。
直径は5m、高さは約18m、重量44トンですので、かなり大きなものです。
波の上下とともにブイも上下することによって、波の高さや位置を測っています。
普段は、波の高い・低いを観測していますが、当然、津波が発生すると津波をキャッチできます。
さらに、沖に浮かんでいるので、津波がやってくる前に、どのくらいの津波が発生したのかを確認できます。
海岸やその周辺に居るみなさんに、より早く情報を提供できるはずです。
例えば、牡鹿半島の南東約16kmに浮かんで、宮城県沖の海溝寄りで地震・津波が発生した場合には、沿岸に津波が到達する10分程度前に津波の規模をチェックできると考えられます。
三陸沿岸で5基ですので、密度の高い監視ができ、見逃しがないだけでなく、より正確な津波を知ることが出来ます。

<3月23日放送>宮城県での防災条例と防災士
昨年の3月25日午前9時42分ごろ、石川県で大きな地震があり、七尾市、輪島市、穴水町で震度6強を観測しました。気象庁の観測によりますと、震源地は能登半島沖で震源の深さは11キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6.9と推定されています。もうすぐ一年が経ちます。
宮城県、「防災条例」制定へ・企業防災士の配置も検討しております。
宮城県、近い将来に発生が予想される宮城県沖地震に備え、県民と民間企業の防災意識の向上が目的の「県防災条例」(仮称)を制定する方針を示しました。
県議会の大規模地震対策調査特別委員会はも昨年の3月、「行政だけでなく県民、地域、民間企業が総力を挙げて大規模地震に立ち向かう機運を盛り上げなければならない」とする報告書をまとめ、条例制定を促していました。
今年度中の県議会に条例案を提出し、2009年度からの施行を目指しております。
防災に関する条例は,静岡,東京など全国で8都県が定めています。
これまで県が中心となった地震対策計画はありましたが、県民や企業の責務を明確化する施策はないです。
宮城県は一定規模以上の県内事業所に対し、避難誘導など防災に関する講習を受けた「企業防災士」の配置を求めることなどを検討します。

<3月16日放送>津波スクリーン
津波スクリーンは沿岸での津波漂流物抑止バリアの事です。
背後に住宅地を抱える釧路川沿線ではその津波の漂流物をブロックするため、いわゆるガードレールの大きいもの、津波の水は通すけれども漂流物は通さない、おさえるという、これを初めて釧路で完成しました。
津波スクリーンとは、津波漂流物対策施設のことです。
漂流物を捕捉するスクリーンは、支柱の間に6本のワイヤロープを張ったガードケーブル状の構造をしています。道路のガードレールに近い構造を持ちます。
衝撃を吸収する構造となっており、津波による漂流物が市街地に流れ込むのを防ぐ。
設置された場所は、釧路川河口であり、観光の名所でもあります。
ここでは、フィシャーマンズワーフ「MOO」や全天候型緑地「EGG」、石川啄木の資料展示の「港文館」があり、観光のメッカの場所です。
ガードレールですと、それだと殺風景になります。
景観面向上や平常時の有効活用を考慮し、上部にクジラをイメージした流線型の天幕を2連設置しています。大変ユニークな形です。
様々なイベントにも使っていただけます。
この津波漂流物対策施設は釧路が国内で初めて設置された場所です。
「クーたん」という愛称も付けられています。小学生が名付けたそうです。

<3月9日放送>小田原地震
小田原地震を紹介します。1853年(嘉永6年)3月11日に発生しました。
この小田原は、神奈川県の西部に位置し、過去70年~80年周期でM7クラス以上の大地震が起こってきました。
歴史上定期的に地震が発生している
1633年 寛永小田原地震:M7.1
1703年 元禄地震:M8.2
1782年 天明小田原地震:M7.5
1853年 嘉永小田原地震:M6.5
1923年 関東大震災:M7.9
歴史に残る5回の地震は平均すると73年ごとに繰り返し発生しており、1923年の関東大地震から85年が経過していることから、神奈川県西部の地震の発生が危惧されています。
東海地震からは154年 フィリピン海プレートが本州弧に衝突している場所とされ、国府津・松田断層、日向断層、平山-丹那構造線などの活断層が存在する場所です。
西には、伊豆半島があり、これは百-2百万年程前に、フィリピン海プレートに乗った島(海底火山の群れ)が本州に衝突し半島を形成したと言われています。その結果、州に衝突し、陸地となった後の伊豆半島では、あちらこちらで噴火がはじまり、たくさんの大きな火山体ができました箱根火山や天城火山が形成されています。

<3月2日放送>日放送予定 チャレンジ防災プラン
2008年2月16日(土)、2月17日(日)に、東京田町の建築会館で、防災教育チャレンジプランの最終報告会(ワークショップ)が開催されました。
2007年度防災教育チャレンジプランに取り組んだ15団体が、この1年間の実践活動の最終報告を、熱のこもった発表で行いました。
2001年にはじまったこの活動はHPに掲載され、82件の事例があります。
これらの事例は、レベル(チェレンジ、入門、応用)、対象(保育園から地域)、方式(講義、体験、イベント、訓練)、時関(1コマから2日間)、場所(教室、体育館、屋外など)
今回、大賞には「静岡県立御殿場南高等学校 地学教室」が選ばれました。
富士山のふもとで東海地震の被害も想定される地域で、通常の授業の中で地学の面白さを持続可能な形で実践している。
2、3年生文系地学選択者を対象に、自然現象のメカニズムを理解し、自然環境及び防災に対する認識や行動力を持つことを目標にした学習プログラムを開発・実践する。地域や行政、大学との連携を深め、課外活動を通して高校生自らが学んだことを発信する機会を作っていきたい(富士山宝永噴火300年記念行事への参加を含む)。
http://www.shizuoka-c.ed.jp/gotembaminami-h/
2008年度防災教育チャレンジプラン実践団体発表!(速報)

<2月24日放送>認知的不協和について
認知心理で用いられている言葉を紹介します。
個人の心の中で、矛盾する2つの認知があると、認知的不協和がおこります。
認知的不協和が不快感を起させます。不快感を解消するため、個人はこの不協和を解消あるいは低減しようとする動機を抱くのです。
米国の心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱されました。一般的な事例は、喫煙者」の不協和があります。
「喫煙は体に悪い」という認知に対して、「自己の認知を変える(禁煙する)」「他の認知情報を求める(健康で過ごしている人もいる)」「重要度を変える(肺がんにかかるより交通事故にあう確率のほうが高い)」といった心理状態が働くのである。
さらに例えば、「地震が起きると言われます」VS「防災対策はしていない」=>不協和です。
これは、不快の状態ですので、解消しようとします。
両方を矛盾無く、かってに解釈すると「地震は起きない、もしくは、起きるかも知れないが、被害は起こらない」となります。これで今の自分の状態と矛盾が無く、安心できます。自分を正当化しています。=>これでよいのでしょうか?
また、別の例です。地震の発生後に、「津波警報が発令されて、地域に避難勧告が出ています。」VS「いま、自分は避難しないで自宅にいる」=>不協和です。
これを解釈すると、「避難勧告が出ているが津波がくるとは限らない。自宅でテレビ・ラジオの情報をもっと収集して、確実になったら避難しよう」と解釈してしまします。こうすると、1つの事実は矛盾がありません。でも、これでよいのでしょうか?

<2月17日放送> プーケットでのインド洋津波復興会議
巨大地震・津波からの復興に関する国際シンポジウム)が開催されました。
共同研究での研究者を中心に、10カ国から約150人が参加し、約70編の発表が行なわれました。
初日は、主に自然科学的な調査観測結果が報告されました。
主な成果は、2004年スマトラ地震と同様な巨大地震・津波が数百年前にも発生していたことGPS観測によってスマトラ地震の余効変動が観測されたこと、スマトラ地震の前に同地域の地震活動が変化していたこと、などでした。
2日目は、工学や社会科学的な報告がありました。
「地震・津波からの復興と都市計画」として、ライフラインや産業の復興や将来の防災計画などに関する研究成果が発表され、「地域防災と教育」のセッションでは、災害からの復興や防災計画・防災教育について、社会科学的な研究や普及教育の実践例が紹介されました。
3日目は、「津波:災害・モデル・観測・警報」と題して、スマトラ地震以降の各国における津波についての研究や警報・防災システム構築の現状が紹介されました。
2004年津波の際には、津波という言葉さえ知られていなかったアジアの各国で、津波に関する研究や観測・防災システムが著しく進歩したのが印象的でした。

<2月10日放送> 地球温暖化による沿岸リスクの上昇
今年は7月に洞爺湖サミットがありますが、大きなテーマは地球温暖化対策です。
この時の影響の1つが、海面上昇です。
海面上昇とは、温暖化などが原因で、海水の膨張や、氷河が溶けたりすることで、海面水位が上昇する現象です。
今後の地球温暖化では、100年で1~3.5℃の気温上昇で、約15~95cmの海面上昇が予測されています。
気象庁によると、日本近海の水深1700メートルの平均水温は、北太平洋中部海域での海上風の長期化や地球温暖化などの影響で、1985年以降は上昇傾向が続いているそうです。
たとえば、03年10月には世界遺産に登録されている広島県宮島の厳島神社の回廊も冠水し、参拝が一時中止されました。
海面上昇はまた、海岸・低地の水没、海岸浸食の激化、河川と地下水への海水の浸入、潮汐の変化などの悪影響を惹き起こし、自然海岸や沿岸域の生態系をかく乱して、水資源の喪失などさまざまな影響をもたらします。

<2月3日放送> 2月の地震カレンダー 
以前、地震学会から地震暦(こよみ)を紹介しました。
被害を生じたマグニチュード6以上の地震が、いつ起きたか、暦の上に示されています。
最も古い地震は西暦599年大和の地区で発生。日本書紀に記録されています。
総数は、430回の地震が記録されています。
月別に見ると、平均36回、最も多い月は?
8月で48回、5月はその次で44回になります。9月は意外と少なく36回ですので、平均です。
少ない月は、2月の19回になります。さらに4月の24回2月は地震の少ない月なのです。
その中で、2つの地震を紹介します。
1つは1605慶長地震(3日)Mは7.9巨大地震です。東海から南海まで一気に破壊。津波も発生し、千葉県銚子・犬吠崎から九州まで押し寄せました。ただし、揺れは小さかったようです。津波地震と言われます。
2つめは、1880横浜地震(22日)です。M=5.5-6.0直下型での地震です。横浜で被害が発生、煙突が倒れたり墓石が転倒、東京では少なかったです。当時、外国人教員・技術者などが多く、横浜に滞在しており、この地震に遭遇。この地震を機として日本地震学会が生まれました。当時の会長は、会員数は117名、そのうち日本人37名でした。

<1月27日放送> 地震保険について
地震保険は地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没または流失による損害を補償する地震災害専用の保険です。
「地震保険に関する法律」に基づいて、政府と損害保険会社(共済を含む)が運営する制度です。
地震保険の対象は居住用の建物と家財です。
火災保険では、地震を原因とする火災による損害や、地震により延焼・拡大した損害は補償されません。
地震保険は、火災保険に付帯する方式での契約となりますので、火災保険への加入が前提となります。
地震保険は、地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的として、民間保険会社が負う地震保険責任の一定額以上の巨額な地震損害を政府が再保険することにより成り立っています。
保険金をお支払いできない主な場合は:
・地震の発生日から10日以上経過後に生じた損害
・地震等の際の紛失・盗難の場合
1年間保険額1千万円の場合
宮城県では、非木造6、500円、木造12、700円(北海道、青森と同じ)
高い地域は、東京・千葉・神奈川で非木造が16、900円、さらに、静岡、愛知、三重、和歌山と続きます。
最近では画期的な保険もできています。震災等で被災された後の生活再建費用を補償する“未来”を志向した保険です。被災した住居の建替え・補修費用、ご家族の緊急避難費用や引越し費用、生活必需品購入費用、ホテル代、仮住まい家賃などの2重3重の経済的負担から、皆様の暮らしをお守りいたします。
地震保険の加入により、所得税や個人住民税の控除が受けられます。

<1月20日放送> 津波石について
低頻度大災害の代表例である津波は、まれにしか起こらないためにその規模や挙動の詳細について知ることは容易でありません。
多くの史料が残されていますが、史実は断片的であり定性的な内容であることが多いのです。
何らかの科学的手法でそれを補う必要があります。
津波の来襲した痕跡として、砂の堆積物や大きな_が注目されています。
いずれも、本来は海域にあって、津波などの特別な波によって打ち上げされたものです。
これらの有無により、文献にはない過去の事例が見つかったり、移動量により規模が評価出来たりします。
また、元の位置との関係により来襲の方向も推定でき、途中の移動形態も推定が可能になります。
よく、「雪は空からの手紙」と言われ、上空での気象の違いが雪の結晶構造を変えることと似ています。
実際に、紀元前のサントリーニ火山津波、沖縄・石垣での1771明和津波、最近のインド洋津波(タイのパカラン岬では、一箇所で460個もの津波石が見つかっています)でも、研究が進められています。東北大学の後藤和久さんなどが精力的に研究をしています。
特に、津波石は、大きいものほど、長い期間にわたって保存されますので、有効です。
研究の課題(難しい点)は、台風など津波以外の原因による移動を区別すること、また、元々の位置を正確に知ること、になります。

<1月13日放送> 東北大学での防災科学研究拠点
世界で最も発生確率が高いと言われる「来るべき宮城県沖地震」に備えて、東北大学が擁する諸科学の防災分野を特化融合させて総合的防災科学研究拠点を構築し、行政・民間団体等と連携して地域防災力の向上や災害対応システムを構築し防災・減災型社会をめざします。
12月7日(土)仙台市内東北大学金属研究所講堂で公開シンポジュウムを開催ました。
07東北大が学内外で行ってきた防災研究や活動を紹介。「学校や地域での防災教育支援や、防災を担う人たちをつなぐ役割を果たしたい」と報告しました。
県危機対策課の早坂俊広技術主査は、地域や企業内で防災リーダーを育成する県の事業を説明。日本防災士会県支部の富田敏夫副支部長は、9月に青森県支部と相互協力協定を結んだことを報告していただきました。
1月17日に防災科学セミナーが実施されます。
地域社会を災害から守るための防災科学研究と地域連携東北アジア研究センターの奥村先生 大規模地震による負傷者輸送の課題法学研究科の生田先生、防災をめぐる法と問題点

<1月6日放送> 今年の予定2008年
1968年十勝沖地震の40周年
1978年宮城県沖地震の30周年
1983年日本海中部地震・津波の25周年30年前の6月12日夕方5時14分に発生。
78年の宮城県沖地震は、マグニチュード7.5 最大震度5を記録しました。死者28名、負傷者1,325名を出しました。死者のうち18名は倒れてきたブロック塀などの下敷きとなって死亡した人である。
被災戸数全壊 1183 半壊 5574
前回はこのような被害でしたが、次回は、違う形態の被害が発生する可能があります。災害は進化します。
今年も、チャレンジ防災講座やサバ・メシコンテストをさらに発展させて実施したいと思います。