<2006年12月31日放送> 1年を振り返って
5月27日ジャワ中部地震
7月17日ジャワ南西沖
10月15日ハワイ地震
11月15日千島列島、空白域と言われた場所
防災に関する話題としては、
2月中旬に仙台で日本集団災害医療学会が開催、緒方貞子さん(理事長)、人間の安全保障
4月先進的な防災教育を紹介、後田紘一君の活動
5月文科省子ども科学技術白書 まんがによる研究紹介、防災科学で、「指令!地震災害を究明せよ」
8月緊急地震速報、今年展開し始めました。
10月にサバメシ・コンテストの実施
などを紹介しました。
2004年は自然災害も多く災 という年でしたが、今年は命 という漢字が紹介されました。

<2006年12月24日放送> スマトラ地震・インド洋津波から2周年
  2年の間で、地震や津波に関する研究も進んできました。この成果は、専門誌(月刊地球の号外にまとめられました)
この地震は、M9.2の超巨大地震でした。過去、M9を超えたのは、1960チリ、1952カムチャッカ、1957アリューシャン、1964アラスカ、など4回のみ。M9の地震がどのようにして起きるのか?その発生間隔は?日本でも起きないのか?
という課題があります。スマトラ周辺での今後の地震活動にも注目があります。
また、一方、津波に関しては、23万人以上の犠牲者を出した大災害でしたので、その原因をきちんと解明し、今後の防災対策に活かせることが大きなテーマです。当時、津波警報システムがなかったこと、過去津波の被災経験のなかった地域が多かったこと、災害対策も十分ではなかったこと、が挙げられています。さらに、調査で分かったこととしては、スマトラ西海岸で最高48.9m遡上したこと、道路や橋などが大きな被害があったこと、などが新たに示されています。
現在、津波情報が気象庁などで出すようにしていますが、先日の7月17日ジャワ南西沖では、津波被害を繰り返してしまったのは、残念です。

<2006年12月17日放送> 南海地震津波について 川を遡上する津波
  昭和南海地震津波は、1946年12月21日に発生しました。四国・紀伊半島沿岸で大きな被害を出しましたが、大阪や神戸にも影響を与えました。
  過去、1854年12月24日に発生した安政南海地震津波の際には、地震発生後約2時間後に、大阪・堺に来襲し、大きな被害を出しました。当時、関西周辺でも地震も多く発生してり、家屋の倒壊やその後の火災などの被害がありました。そのため、地震の揺れの後多くの方が、船に家財を持って避難したそうです。しかし、2時間後に大阪の木津川、安治川などを津波が遡上し、船を押し上げ、26の橋を破壊したと言われています。当時でも繁華街であった道頓堀まで路上に海水が溢れたそうです。
現在、高潮や津波の対策のために、主な川には巨大な水門が立ちふさがり、防潮堤にある700カ所の出入り口にも、全て浸水を防ぐ扉が付けられています。「水門・鉄扉を閉めれば、津波対策は、万全と考えております」が、1日100隻以上の船が停泊する大阪港です。船の被害が心配です。また、河川の近くに地下街などもありますので、そこでの避難体制も重要です。

<2006年12月10日放送> 東南海地震について
  昨年にもこの地震を紹介しました。昭和19年(1944)12月7日、昭和東南海地震が発生しました。マグニチュード 8.0。震源地は、志摩半島南々東約20キロ沖の海底。この地震による被害地は静岡・愛知・三重の東海三県をはじめ、長野・山梨・岐阜・和歌山・大阪・兵庫などの各府県に及ぶ。1,223 人の死者・行方不明者など大きな被害を出した。家屋被害や死者の多くは津波によると言われます
この地震津波は、終戦の直前に発生したもので、当時の被害実態も不明で、復旧や復興もままならない状態であったようです。最近、地元の経験者が体験談や写真などを集め、少しずつ状況が分かってきました。さらに、2年後の46年12月21日、四国沖の南海道地震が発生したのです。
海溝型地震である東南海、南海地震は、歴史的に見て100年から150年間隔で、マグニチュード8程度の巨大地震を発生させています。以前のものは、1854(安政東海・南海地震津波32時間後)、1707(宝永地震津波、1703元禄の4年後)、1605(慶長)、1498(明応)などがあります。

<2006年12月3日放送> 境界波について
  今回の津波が我が国に到達する経路には以下の3つが考えられます。
(1)津波波源(震源域)から直接到達する「直接波」
(2)大陸棚上を屈折・反射を繰り返しながら到達する「境界波」※
(3)太平洋上の大規模地形(海嶺や海山列)によって励起される「散乱波」 
津波は上記の順に到達することになり、特に大陸棚上を伝播する境界波は第一波から数時間遅れて到達します。1994年色丹島沖で発生した北海道東方沖地震津波、2003年十勝沖地震津波においても同様の津波が観測されています。
実際、2003年十勝沖地震津波時には北海道太平洋岸の釧路港で津波発生から約10時間後に第一波に匹敵する波高をもつ津波が来襲してます。
今回の津波被害は、特に21日明け方に発生したとの報告がなされており、波源からの直接波ではなく、境界波および散乱波の来襲に起因するものである可能性が高いと思われます。

<2006年11月26日放送> 択捉島沖でのM8.1地震による津波について
  択捉島沖で15日8時15分頃に発生した地震でロシアや我が国だけでなく、太平洋沿岸に観測された津波が発生した。気象庁は29分に津波警報と注意報を出した。地震発生した場所が北海道本島から700km以上離れていたこともあり、地震による揺れは小さかったが、津波は我が国の太平洋各地で観測されました。
  津波の初動としては、根室で9時29分に第一波が観測され、その後各地に伝わっていきました。16日午前1時半に注意報は解除となったが、東北地方の沿岸部などで観測された津波の高さが、津波注意報の解除後に最大になりました。このように最大波の出現が遅れる特徴は、津波の境界波の性質が顕著であったと考えられます。宮城県内では気仙沼、石巻市などの漁港で16日朝、計5隻の船が転覆しているのが見つかっています。
なぜ地震速報より津波情報が早かったか?
なぜ、揺れが小さかったか?M8深さ30kmで津波高さ2mは妥当か?
などが課題となっています。

<2006年11月19日放送> 防災番組の紹介
  震災メッセージ・プロジェクト「ラジオ震災番組「ネットワーク1・17」 地震防災放送活動」毎日放送(大阪市)
平成7年4月15日から被災地の問題点と復興の現実を伝える「ネットワーク1・17」が放送されています。土曜日の夕方5時から45分間です。
防災専門家、福祉・まちづくり・ボランティア等のテーマでゲストを呼んでトークをする他、近畿で起きた地震や災害知識を伝える「週間地震概況」等の内容で構成されています。これは京大防災研の地震予知センターが協力しています。先日、10.21緊急地震速報を体験しよう~大阪府枚方市から出前放送~名古屋大学の林さんがゲストでした。
この他、震災経験者からの経験談を聞く「シリーズ・人々の震災」をテーマの1つに取り入れたり(平成13年1月からスタート)、地震防災の提言・教訓を伝える「地震防災キャンペーンスポット」及び「地震防災メモ」を数秒のミニ番組として別途放送しています。「震災の記憶を語り継ぎ、次なる災害への備えを呼びかける」。 今ではこれが番組の2本の柱です。
また、平成9年1月17日には、大阪タクシー協会と協力して、災害時に運転手が情報提供するタクシー防災リポーター制度を開始しています。
一方、テレビでは、NHK神戸放送局「震災メッセージ・プロジェクト」(兵庫県神戸市)があります。 NHK神戸放送局では、「ニュースKOBE発」の中で、阪神・淡路大震災を体験した有名人や防災関係者のメッセージを紹介する「震災メッセージ」を放送している(毎週月曜日)。
  また、テレビで放送した内容をストックして活用する方法として、約10人分のインタビユーを放送するごとに、総集編特番「語り継ぐあの日」を制作・放送する。

<2006年11月12日放送> ハワイでの地震
  10月15日7時7分(現地時間)、ハワイ島西岸沖で M6.6の地震が発生しました。
滑り量が小さく、深さ39kmであったことに加え、震源域が陸上部にかかっていたので、津波はなかったと考えられます。津波の心配は無かったのですが、一部住民の間で混乱があったようです。
この地震による死傷者の情報はないということですが、ハワイ島では地滑りにより高速道路が不通になったり、さらには、オアフ島ワイキキ地域では大規模な停電が起きたりしたようです。10時間ほど(大雨も影響)食料品・日常品のお店では長蛇の列。空港での足止めがありました。
ハワイ島付近では地下からのマグマ上昇に伴って地殻にひずみが生じ、これが地震を引き起こすと考えられます。
米国地質調査所によると1868年にはM7.9の地震、1951年にはM6.9の地震が起きて、ともに被害があった1973年に今回とほぼ同じメカニズムでM6.2の地震が起こっています
5日後(10月20日)には、ハワイ州観光局より、風評被害対策として、以下のメッセージが出ていました。
ビッグアイランドはいつもと変わりなく元気です!
先週の地震では、多くの皆さまにご心配をお掛け致しました。現在、ホテルや各種サービスは通常通り営業しています。レンタカーでの観光をご予定の方は、念のため現地宿泊ホテルなどで最新の道路状況を確認して下さい。ハワイ島(ビッグアイランド)への皆さまのお越しを心よりお待ちしています。

<2006年11月05日放送> 地震研究の最前線
  10月31日から11月2日まで、名古屋国際会議場で日本地震学会が開催されました。
この学会は、日本での地震研究の中心で、1880年(明治13年)4月、横浜地震を契機として、日本地震学会が創設されました。1881年12月の会員数は117名、そのうち日本人37名、在外会員18名、残りの62名は日本に在住する外国人でした。世界最初の地震学会でしたが、惜しくも1892年(明治25年)に解散しました。1948年(昭和23年)1月に再開されました。現在では地震学のほか、固体惑星地球物理学、地震工学その他の周辺分野の研究者・教育者・技術者など約2300名(2006年9月現在)からなる学会に発展しました。
この名古屋での学会では、2つのセッションが注目されました。
1つは、次の南海トラフ巨大地震に向けて、もう1つは、切迫する大地震に向けた地域防災の新展開
東海(87%)、東南海(60%)、案会(50%)という高い確率の場所です。
海底圧力と地震発生の季節性、プレート境界と内部での地震(2004年紀伊半島南東沖)
地域防災(静岡、名古屋、札幌、仙台)、リスク認知(長期評価、強震動予測)、メディアの役割などでした。

<2006年10月29日放送> サバ・メシ放送
  21日に、仙台ガスサロンで第一回みやぎサバ・メシ コンテストが実施され、大盛況の内、終了できました。本日は、この様子を現場での収録を交えて、ご紹介します。身近にある材料(保存の効く)や調理法。燃料や水をなるべく使わない。簡単な料理法。ゴミを出さない。冷たくても美味しいなどの工夫がありました。食べると元気ができる、励まされる(味やデコレーション)、さらに栄養価の高いものがありました。

<2006年10月22日放送> 防災いろはカルタについて
  懐かしいお正月の遊びは、タコ揚げ・カルタ取り・羽根つき・福笑い・すごろくなどでしょう。
いろはカルタが流行し始めたのは、江戸地代の後期からで、関西で普及した後、関東へも伝わりました。
  俗に”犬棒カルタ“と呼ばれているものは江戸のカルタで、いちばんはじめの「い」が「犬も歩けば棒にあたる」となっております。ところが、大阪では、これが「一を聞いて十を知る」、京都では「一寸先は闇」というように異なっています。
防災いろはカルタ、NHK名古屋などで「防災」をテーマにした標語を募集したところ、全国から3056通の作品が寄せられました。入選した45音の作品には、名古屋市出身の漫画家・石坂啓さんにイラストを描いていただき、子どもからお年寄りまで「防災」について楽しく学べる「防災いろはカルタ」をつくりました。
さらに県内では、仙台市中野小オリジナル「防災伊呂波歌留多」があります。
NHK仙台の地震防災キャンペーンの一環として、「わらDEの地震防災カルタ」を作ることになり、中野小の子どもたちが、読み札(防災標語)の言葉を冬休みの宿題で考えましたそうです。
大変すばらしい内容になっています.是非、一度、以下をご覧下さい。
http://www2.sendai-c.ed.jp/~nakano/karuta/karuta.htm

<2006年10月15日放送> スリランカ現地調査
  4万人もの犠牲を出した沿岸地域での復興状況の調査をしてきました。
ゴール、ヒッカドゥア付近視察(列車被害)、漁港ハンバントタ調査、キリンダ・ヤーラ動物公園(観光客被害)
女性の証言: 家で寝ていた第一波が来襲1.5mくらい、気づいた。弟たちが、昨日のパーティーで熟睡していたので、起こした。なかなか起きなかったので、ベットから落とした。次に、波が引いていった。魚などが見えた。おおきな第2波目が来襲、色は黒く、腐った臭いがした。紀元前100年前に、王様と王女の話の中で、大きな波が海から来て、これを鎮めるために王女を生け贄したことは話を聞いている。これが、頭にあったのでとっさに判断したようです。
2006.1.26に記念碑を建立:犠牲者249村人、1270列車内(乗客と村人)、141行方不明、395破壊された家屋、石碑の他、当時の列車被害の様子を描いたレリーフがあります。消えつつある被害の様子を残してくれる重要なメモリアルであると思います。
ハンバントータ: この地域では、同じ場所での復興も見られるが、約5km北方の高台に復興住宅地域が建設されている。台湾仏教協会の支援で大変立派な住宅が建設されつつあります。
今回、最終日に大学で講義を行ってきました。その最後にスリランカの先生が集まった学生さんにしゃべった言葉が印象的でした。それが、「みなさんは今回の大災害の目撃者である。10、20年後にこの大学に学生さんが来るが、彼らはこの甚大な被害の事は直接は知らない。あなた方が、彼らにきちんと大災害を伝える義務がある」と述べていました

<2006年10月8日放送> 地盤災害
  地盤に関する災害には、地震や豪雨による土砂崩れ、土石流、液状化、盛土の沈下・崩壊などがあります。さらに地盤環境に関しては、有害物質の地下水汚染、廃棄物処分場からの有害物質の漏出などがあります。地盤の中は、普段見ることが出来ないので対策も難しいのです。
  土は、水分の量と締め固める力によって、その強さが大きく変わる不思議な材料です。
また、地震による内陸での被害は、地盤の特性及び地形等が大きな要素を占めているのです。
  代表的な、液状化は、地下水面以下での砂などを含む地盤が地震で揺らされると起きます。緩く詰まった砂に振動を加えると、砂粒の間の空間が小さくなって、もっと密に詰まろうとします。
このときその空間に空気しかなければ、砂は単純に密になって堆積が小さくなり地盤は沈下します。この時空気は圧縮されます。
しかし、もし砂粒の間の空間が水で満たされていたら、空気の代わりに水が圧縮されますが、水は空気に比べると圧縮されにくいので、水圧(過剰間隙水圧)が急上昇します。地中の水圧が上がるとそれまで土の重さを支えていた砂粒が水に浮いたような状態になります。この状態が液状化と呼ばれています。
  この状態が長く続けば、液状化している土より重たいものは沈み、軽いものは浮いてきます。地震の時には液状化によってビルが地中に沈んだり、マンホールが浮き上がってくるのはこのためです。
  地震後しばらくしてから、地表面に泥水が噴出した後が見られることがありますが、それは液状化の痕跡であると考えられます。

<2006年10月1日放送> サバメシ・コンテスト いよいよ
 10月8日まで応募を延長しましたので、どしどし応募下さい第一回の試み、45分以内で作れるもの、出来るだけ水は使わず、保存のきくものが望まれます。10月21日の本番に向けて、10作品を選び、最終審査させて頂きます。
審査基準は、実用性、アイディア性、サバイバル性、おいしさ、材料・費用、料理器具などを考慮します。
審査委員は、村井知事、相原チマさん(料理研究家)、それに、今村です。さらにゲストとして相田幸二さん(こうちゃん)が出られます。賞品も多種揃えております。
今回、イラストも凝りました。家族が乗っているのは、地球のようですが、どんぶりを逆さまにしたものです。「メシ」とい言葉で連想されるどんぶりを工夫されています。このコンテストのシンボルもどんぶりにのったスコップとのこぎりです。災害という、突然の災害に、いざという時に、対応できる想像力を付けましょう。

<2006年9月24日放送> 防災お役立ちネット
(株)日立東日本ソリューションズ・今村研社会人ドクターの阿部郁男さんです。(株)日立東日本ソリューションズでは、9月1日に防災お役立ちネットを立ち上げた。
昨年の9月に室内の地震危険度を診断するシステムを無料公開。
これは、名古屋工業大学の岡田成幸先生の研究成果を一般の方が利用しやすいようにアレンジしたもの。お蔭様で多くの反響を頂き、公開後、会社全体160万件、システム約6万件のアクセスあり。国や県、市町村ごとに被害を診断するツールはあるが、個人に着目したものが少なかった。自分のうちがどうなるか?自分の家族がどうなるか?これが最もみなさんが関心があること。これに答える一つのサービス。
今年の柱
1)建物の耐震強度を自己診断できる住家簡易被害診断ツール
震度、地盤・基礎、壁の配置、建物の形、筋交い有無、壁の量、老朽度の7項目を入力することで、耐震強度、地震が起きたときの被害(生死にかかわるか、建物が僅かに壊れる程度か)を表示。 
岡田先生の「木造建築物の損傷度関数の提案と地震防災への適用、日本建築学会構造系論」を基に開発を行い、計算には「国土交通省監修 木造住宅の耐震精密診断と補強方法(増補版)」を利用。
2)室内危険度診断システムのバージョンアップ
これまでは、階数や築年数、構造(鉄筋・木造)が指定できなかった。今回は指定可能になった。地震調査研究推進本部の確率的地震動のデータと連携することで、お住まいの地区で発生する可能性が高い震度を指定できる。家具の転倒範囲をアニメーションで表示。怪我の程度(打撲、切り傷、骨折)を表示。
その他に、防災コラム、1回目は岡田先生、2回目は今村先生の予定や私の被災地出張報告、活断層マップや地震津波による被害の歴史が紹介されています。
今回のシステム公開をきっかけに、みなさんの防災対策の向上のきっかけになって貰えればよい。

<2006年9月17日放送>
先日、8月上から9月始めにかけて、インドネシアのジャカルタとバタンに行ってきました。
バタンでの目的は、アジア・環太平洋での沿岸部での持続的な発展と安全・安心を確保するための国際会議に参加することです。東は米国から西は、インドまで、10カ国以上、700名の参加者がありました。
Coastal zone managementは、海岸の利用、環境保全、そして防災への対応を強化しようということで、工学のみならず生態学、社会学、コミュニケーション、地域、国際援助、経済など 多彩なメンバーでした。話題の中心は、地震や津波でして、2004スマトラ沖地震・津波の際での、タイ、インドネシア、スリランカなどでの被害の実態と復興の状況が報告されました。
中でも、7月17日発生しましたジャワ島南西沖地震による津波についての数多くの報告もありました。地震の揺れが小さかっこと、警報はなかったこと、たまたま海岸で魚やかにを捕っていた方が多く避難できなかったことが紹介されました。引き波が確認されましたが、逃げられませんでした。
死者行方不明者含めて8百人を超えました。繰り返される地震・津波の災害について、すぐにでもしなければいけない、警報システムの構築、情報伝達の整備、そして教育の充実が叫ばれました。
今年の12月26日は、インドネシア・バリ島で大々的な避難訓練が実施されるようです。

<2006年9月10日放送>
津波地震について
地震と津波の規模には関係があります。
地震は断層運動を伴い、これで海底が変動します。
地震の規模が大きく、浅いところで地震が発生するほど、海底の変化量が大きくなり、結果、津波の規模も大きくなります。
従って、両者の規模には比例関係があります。
ただし、地震が小さいにもかかわらず津波が大きくなる場合があります
地震情報を基礎とする津波警報にとっては厄介なものになります。
我が国では、1896年明治地震津波が典型例です。当時沿岸では、今の震度で言うと2-3程度と言われます。
不思議なことに内陸の方が震度が大きかったそうです。
小さな揺れであったのもかかわらず、38m以上の津波が来襲、2万2千名以上の犠牲者が出ました。
原因としては、幾つか考えられています。
1)プレートの間に、海底の堆積物があり、これが潤滑油のような役割をもたらす。揺れは小さくなる
2)断層の動きがゆっくり。鐘をたたくと音が大きく震動する。焼物、柔らかいものをたたくと?
3)最後が、海底の地滑りなどが誘発されて津波を大きくさせた

<2006年9月3日放送>
津波防災の研修が今年も実施され、8月末で修了しました。
目的は、インド洋大津波で被害を受けた、特に、インドネシア、タイ、スリランカから若手の先生や教員に来日して頂き、東北大学で津波研究や防災教育、さらには地域での防災の取組を学んで頂くプログラムです。宮城県の海外技術研修制度により2ヶ月来日できました。
インドネシアからアンさん(アブダル ムハリさん、インアドネシア海洋水産省)、スリランカからハーシャさん(ハーシャラトナスーリヤ、モロツア大学講師)、タイからヌン(マンマヌコーン スリチャイ、ランシット大学工学部博士課程在学)さんが来られています。ヌンさんはこれから12月までおられ ます。
研修では、大学で地震・津波の基礎やシミュレーション方法を学び、ハザードマップなどを作成し、住民や行政の方と対策について事例を学んで頂きました。
今年も、宮城県危機対策課、気象台、気仙沼市役所などを訪問し、三陸沿岸も視察できました。
期間中、七夕祭りがあり、また市内の輪王寺を訪れる機会もありました。

<2006年8月27日放送>
緊急地震速報の運用が始める(昨年6月に、この番組で紹介)
緊急地震速報とは、地震観測網から得られた地震発生情報を即座に伝達し、住民の生命を守る(危機の軽減)ことや社会経済に与える損害を軽減するための情報です。
地震の初期微動をとらえ、大きな揺れが来る前に知らせる気象庁の「緊急地震速報」が1日から動き出したました。これは、80年代前半に、つくば市にある気象庁気象研究所で研究が動き出し、約20年かけ実用化の一歩が踏み出しました。
  地震波には伝播速度が速い「P波(初期微動)」と、伝播速度は遅いが大きな揺れを起こす振幅の大きい「S波(主要動)」があります(1.7倍違う)。震源の近くでP波を地震計が検知して、地震の規模や位置を即時的に求め、それを的確に伝達するシステムが構築できれば、多くの場合地震の大きな揺れが到着する前に防災対策を実行することが可能となります。宮城県沖地震の場合、仙台での余裕時間は15秒ほどあります。
  鉄道、病院、百貨店などで利用され期待も大きいが、同時に課題も多いのが現状です。電車の緊急停止、手術室での作業中断、ベットからの転落防止などが対応できます。また一方、情報を受け取れる人と取れない人がいる(対応が分かれる)、僅か十秒で何が出来るか整理が必要(出口などに殺到する恐れ)、誤差も大きい、などの課題もあります。宮城県では、現在、小学校、病院、ハイテク工場などに整備を計っています。

<2006年8月20日放送>
8月16日宮城県沖地震
  昨年、十六日午前十一時四十六分ごろ、宮城県沖を震源とするマグニチュード(M)7・2の強い地震があり、最大震度6弱を観測した。震源は牡鹿半島の東沖八〇キロで、深さは42キロ。
  被害の特徴としては、泉区室内プールの天井の落下(非構造部材、内装部材)がありました。負傷者20名にも及ぶ。また、帰省、海水浴シーズンでの地震であり、移動中での災害になります。津波は、地震発生後20分程度で津波の第一波が観測されました。僅か10-40cm程度の波高であり、被害は無かったです。海水浴場などでは、日頃の訓練などの成果もあり、迅速な避難が行われたようです。
  今回の地震は想定宮城県沖地震との関係が指摘されていた。地震の規模は発生した場所が類似しています。ただし、規模は想定よりも小さく場所も若干南です。今回で全ての歪みエネルギーが放出していない可能性もあります。分割型、単独型、連動型、様々なタイプの宮城県沖地震が考えられています。

<2006年8月13日放送>
漁港での津波対策
気仙沼がモデル地区 水産庁の津波対策
一昨年のインド洋大津波では、沿岸漁村の多くが壊滅したました。国内にも約2900の漁港を生活拠点とする集落が約4700か所あり、250万人が暮らしていることから、同庁が昨年度、津波対策の現状を調べ、結果を最近まとめました。それによると、高台の広場やビルなどの津波避難場所は、自治体の指定施設を持つのが6%、指定外施設があるのが25%で、69%は逃げ込める施設がない。一方、浸水や土砂災害で、外部と結ぶ陸路が寸断されかねないところが78%もありました。さらに岸壁が壊れ、ヘリコプターが着陸できる平地がないなど、陸海空の3経路すべてが途絶する恐れのあるところもあります。
  外部との連絡路を絶たれて孤立する恐れがある集落も3分の1に及ぶ。事態を重視した同庁は、国土交通省などと連携し、地方自治体と住民向けに「災害に強い漁業地域づくり指針」を今年3月に作成、東南海・南海地震などに備えた減災対策を推進します。
  気仙沼市はモデル地区として選定さえ、同市では

<2006年8月6日放送>
地域参加型ハザードマップ作成
昨年11月に実施した防災マップコンテストが好評であったために、今年も引き続き開催します。
最近、各地で地域参加型ハザードマップまたは防災マップづくり(ワークショップ)が開催されるようになりました。
その結果を一同に集め、披露したいと思っています。
マップ作りの目的は、
防災意識の高揚
・被害ポテンシャルを知る、地震・津波被害のイメージ化
・避難の重要性を知る、身近で出来る対策を考える
災害経験や情報の共有化
・過去の災害経験、状況を出し合う(地域認識)
コミュニティー形成
・防災について話し合う機会を作る(話題の掘り起こし、地域認識)
・協力できる事項を考える(課題の共通理解と解決策の模索)
・弱者・海岸利用者の対策を考える(解決策の模索)
どのような情報があるかを知る(災害情報の認識と理解)ことが出来ます。
是非、夏休みなどを利用して作成下さい。

<2006年7月30日放送>
サバメシ・コンテストの実施
今年2月に災害時にサバイバル・食事(メシ)=> サバメシ の紹介をしました。
サバメシには、乾パン、アルファ米、ビスケットなどがありますが、避難生活も長く続くと飽きてしまうかもしれません。
もっと沢山のサバメシがあって、良いと思います。
調理が簡単(水を多く必要としない)、長期間保存可能、なら様々なメニューがあると思います。
平成18年10月21日(土)14:00~15:30
開催会場:仙台市ガスサロン(仙台市ガス局ショールーム)(中央二丁目10-24)
9月1日防災の日から一ヶ月間にわたり、「非常食」のレシピを公募。
書類審査の上、10のレシピを選考。コンテスト会場で実際に調理をしてもらい、数名の審査委員による最終審査の上、グランプリ、優秀賞、アイデア賞などの各賞を決定し選ばれたレシピを、Datefmのホームページ上に常時掲載します。
最終審査日は、会場である仙台市ガスサロンの1階モール、キッチンパレット、2階コミュニティスクエアの3つの施設を使用します。
夏休み中を利用して、是非レシピを考えてみませんか?

<2006年7月23日放送>
インドネシア中部ジャワ島南西沖で17日午後3時19分(日本時間同5時19分)、強い地震が発生し、津波が同島南岸を襲いました。
西ジャワ州パンガンダラン海岸では午後四時半ごろ、高さ二~三メートルの津波が発生。津波は約五十メートル内陸まで達しました。
米国地質調査所(USGS)は規模をM7。7と推定しています。今回、震源地付近でM5以上の余震が続いており、8回以上起きています。
地震・津波の起きた場所はスンダ海溝であり、 2004年スマトラ沖地震から、ニアス地震、ジャワ島中部地震など、多発している地域です。 
 地元報道によると、津波は高さ2~5メートルで、海水がいったん沖合500メートルほどに引き、その後、津波が逆に内陸に向かって数キロ押し寄せてきたと報告さえています。観光ホテルや食堂、民家の多くが津波で破壊され、逃げまどう住民で市街地はパニック状態であったそうです。また、余震活動が続く中、不安な状態が続いています。
今後も、周辺地域での地震・津波の発生が懸念されます。

<2006年7月16日放送>
マングローブについて
マングローブとは、東南アジアなどの熱帯・亜熱帯地域に広がる植物で、干潟のような海と陸の中間にすんでいる植物のことをいいます。このマングローブは豊かな生態系を作るため普段は、カニやエビ、魚たちのすみかとなり、漁場やエビなどの養殖場としても利用されています。また、大きな津波がおこった場合は、津波の勢いを減らし、人々の生活を守る効果も持っているといわれています。
  皆さんの記憶にも新しい2004年12月26日に起きたインド洋津波でもこの効果が発揮されました。インド洋大津波の死者行方不明者は22万人以上ともいわれていますが、マングローブのあった地域となかった地域では、被害に大きな違いがあり、広大なマングローブ林の背後にあった村では被害が少なかったことが報告されています。また、津波に流されつつも、マングローブにつかまって助かった方も、実際にいます。このように、マングローブは津波から人々を守る機能をもっています。
  ただ、残念なことに近年マングローブは、その効果を知らない人々によって森林伐採や大規模なエビ養殖場の転換などによって破壊されており、その効果が利用されないままなくなっている地域もあります。このような中、津波でもっとも大きな被害を受けたインドネシアのバンダアチェではマングローブ林の機能を見直し、植林でマングローブを増やそうとする活動が行われています。
今後、このような活動が増えていくとさらに津波の被害を軽減できる可能性がでてきます。

<2006年7月9日放送>
津波石について
明和8年3月10日(1771年4月24日)に発生した沖縄・八重山で地震津波が発生しました。この津波により、八重山列島・宮古島列島を中心として地域で多大な被害を受けてました。津波の高さは最大30m以上となり、石垣島で最も多くの被害を受けたと報告されている。現在、石垣島を訪れると、今でのその痕跡を見る事が出来ます。
島中部の宮良湾などでは、大小様々な珊瑚の岩が、水深の非常に浅い場所や陸上に沢山あることに気づかれると思います。これが、200年以上も前に、発生した大津波によって、珊瑚礁から運ばれたものです。
岩についている、貝や生物の死骸から年代測定でできます。明和時代のものもあれば、それ以上前のものも見つかります。500-1000年に一度大きな津波が来たのでは、と推定されています。
石垣島以外に、宮古島、多良間島などでも発見されています。サイズは10m以上のものもあり、人力や通常の台風などでは陸上まで運ぶ事が出来ません。巨大な津波の力で移動したことが推定できます。角のとれた岩片は、大きさにより、シルト(1/16ミリ以下)、砂(1/16-2ミリの範囲)、礫 という分類があります。角の多いものは、小さいものからグリッド、角礫岩、などと呼ばれます。

<2006年7月2日放送>
防災・危機管理e-カレッジ
http://www.e-college.fdma.go.jp/top.html
このページは、先日4月にリニューアルされました。
「師範室」:濱口梧陵師範の追加
「深く学ぶ」:地震対策(東海地震) 溝上恵東京大学名誉教授監修
「消防職員の方へ」:広域応援、特殊災害、救急(AEDを用いた心肺蘇生法指導要領)等
「地方公務員の方へ」:災害対応の基礎コース、災害予防コースおよび災害復旧・復興コースの3つを追加しています。
対象も様々設定されており、一般、ようちえん・小学校、地方公務員、消防団員、消防職員などです。動画や丁寧な解説があり、分かりやすい。

<2006年6月25日放送予定(バンダアチェ)>
5月に現地視察してきました。
1年半を経て、住宅の復興が急ピッチで進められています。
ただし、様々な構造の住宅が無秩序に建ち始めています。
今年には、インド洋での津波警報システムも運用される予定です。
地域で情報を得て、適切に対応するには、教育・啓発が大切です。
本日は、インドネシア国営ラジオプログラムを紹介します。(24時間放送をしている。ローカル番組もあり)
土曜朝の番組は、シャクハラ大学がスポンサー5月18日に我々が番組に出演したとき、電話やメイルで受けた質問です。
今後、津波早期警報システムはどうなるのか?
様々な災害に対して、どのような警報システムを作ればよいか?
地震時に、テレビ・ラジオ局が壊れたらどうなるのか?
災害の前に、前兆現象があるが、どのように学べばよいか?
2004年スマトラ地震の際に、海が燃えていた、火災が起こっていたがなぜか?
米国などの核実験の影響はないのか?
など沢山頂きました。

<2006年6月18日放送予定(新潟地震)>
昭和39年(1964年)6月16日、午後1時過ぎ。
新潟県の粟島南方沖を震源とするM 7.5の地震が発生し、震源に近い新潟周辺は震度6の烈震に襲われました。
この地震で新潟、秋田、山形の各県を中心に、死者29名、負傷者510名、全壊家屋3,557戸(うち160戸全焼)、などの大きな被害を出しました。
新潟県沿岸の津波高は4mに達し、信濃川を遡り一部で氾濫し市内を水浸しました。
この時には、液状化現象が注目されました。県営住宅が傾いたり、大橋が落下しました。
さらに、タンク火災も発生しました。これはスロッシング現象によるものです。タンクから流出した石油が、津波などにより広く拡散し、大規模な火災になりました。
火災は約2週間続きました。地震発生5日前に新潟国体が終了したばかりでした

<2006年6月11日放送>
(宮城県沖地震)
前回の宮城県沖地震から28年が経ちます。
平均発生間隔37年と言われますが、実際の発生はその前後で起きている。
昨年8月16日に、想定地震震源域の一部、今後発生する可能性も高くなる。
現在まで、県内各地で様々な防災活動が行われています。
地震保険などの加入率も高くなっているようです。
益々活発に行って頂きたいのですが、課題もあります。
1つは、耐震診断と耐震化。
2つは、地域活動の継続性。広がりの幅を大きくする
3つは、企業防災「業務継続計画(BCP: Business Continuity Plan)
さらに地区レベルに上げた(DCP)District Continuous Plan
4つは、防災教育(学校だけでなく地域教育も大切)

<2006年6月4日放送>
ジャワ地震
  ジャワ島沖にはスンダ海溝があり、地球を覆うプレート(岩板)の一つであるインド・オーストラリアプレートが、島の下に向かって沈みこんでいる場所です。
スンダ海溝沿いでは、M8~9級のプレート境界型の巨大地震が起こります。 今回の地震の規模はM6.3で、阪神大震災(M7.3)の30分の1程度、同じ横ずれ断層。今回の震源付近では 1950年と58年にもM6.5前後の地震が起こっています。
規模の割に被害が大きくなったのは、地盤が揺れやすい(火山堆積)、耐震性の低い建物(れんが積み)が多いため、2段階の地震破壊(短周期成分の卓越?)などが考えられます。
  地震発生後、ラジオはすぐに「海からの水(津波)が来るのでは」との緊急ニュースを伝えたようで、住民もパニックになっている方もいた。犠牲者の大半は倒壊した建物の下敷きに。約2万2千戸が全壊した可能性あり。宇宙航空研究開発機構による画像は衛星「だいち」が700キロ上空から撮影。同じ地域を地震前の今月16日に撮影した画像と比べた結果、バントゥル地区とみられる市街地で、局所的に画像が暗く変化している地域があった。直径7キロに集中していた可能性がありました。(人工構造物が倒壊している)

<2006年5月28日放送>
昭和58年5月26日に秋田沖で、M7.5の地震が発生しました。
その後、津波も生じ、日本海沿岸を襲いました。
104名もの犠牲者が出て、そのうち100名が津波により亡くなられました。
しかも、小学生13名、港湾工事従事者35名、釣り人30名以上であり、多くの犠牲者は、沿岸に住んでいる住民ではありませんでした。
この地震は、地震の空白域で生じたと言われています。
第一種空白域
大地震を起こす能力をもっていながら最近長い間大きな地震が起きていない場所
近隣地域で地震が発生しており、そこだけ取り残されている領域
宮城県沖、山形酒田沖など
第二種空白域
普通の地震活動から、突然活動が静穏化し、やがて大地震を引き起こす地域をいう。
1983年日本海中部地震津波の場合には、78年頃から第2種の空白域が形成されていたといわれます。

<2006年5月21日放送>
「本吉町教育研究会」で先生方への講演会を行ってきました。
テーマは、地震・津波の被害と地域・教職員の防災についてです。
この研究会では、本吉町内公立幼稚園(4園) 小学校(4校) 中学校(3校)に 勤務する教職員 約120名が参加されました
本吉庁では、宮城県沖連動型地震がくると10m以上の津波が来襲と推定されている場所です。
当日は、後田紘一くん、4年生の佐藤太一くん(仙台一高出身)も参加して貰いました。
先生方の中では、本番組での後田君の防災教育の話を聞いておられた方もいました。
また7月に伺、防災マップ作成などをみなさんで話し合いたいと思っております。

<2006年5月14日放送>
文科省子ども科学技術白書の第7弾になります。4月に発刊されました。
過去は、ロボット、ライフサイエンス、宇宙、ナノテク、海洋と地球環境などがテーマ。
今回は防災科学で、「指令!地震災害を究明せよ」
子ども科学研究隊が登場、如月所長の指令の下、5名の小学生が活躍します。
地震のメカニズムの紹介だけでなく、研究所での研究の最先端に触れ、最後はレスキューロボットも開発します。楽しく読めます。
自然災害を考える4つのポイント:知る、予測する、守る、助ける紹介しています。
さらに、CD-ROMも付いていまして、写真、アニメーション、レスキューロボットを動かしたり、最後にクイズもあります。
以下のホームページに購入方法などあります。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/kodomo/

<2006年5月7日放送>
5月の地震
地震学会から地震歴というカレンダーが3年前に出版されました。
被害を生じたマグニチュード6以上の地震が、いつ起きたか、暦の上に示されています。
最も古い地震は西暦599年大和の地区で発生。日本書紀に記録されています。
総数は、427回の地震が記録されています。
月別に見ると、平均36回、最も多い月は?8月で48回
5月はその次で44回になります。9月は意外と少なく36回ですので、平均です。
ただし、9月1日は、関東大地震も含めて5回起きています。(11月4日、26日にも5回ずつ起きている)
少ない月は、2月の19回になります。さらに4月の24回
5月の代表的な地震といえば、
2003年三陸南部、1983年日本海中部(26日)
海外での地震ですが、チリ沖(23日)
1968年十勝沖(16日)などが知られていると思います。

<2006年4月30日放送>
耐震診断
木造住宅の簡易診断 日本木造住宅耐震補強事業者協同組合
http://www.mokutaikyo.com/200301/index.htm
その他、宮城県建築設計事務所協会でも提供
  
項目は以下の8がり、基礎から上部へチェック項目がある。
1 地盤の状態は? 岩盤(良い)、地名に河沼湖がある(やや悪い)、埋め立て地(悪い)
2 基礎の状態は?鉄筋、無筋、ひび割れのある、その他
3 建物形は? 整っている、上から見ると整っていない、横から見ると整っていない
4 壁の配置は、釣り合いの良い配置、外壁の一面に壁が1/5未満、全開口の壁がある
5 筋交いあり、筋交い無しまたは分からない
6 何階建て 平屋 2階建て
7 壁の量は? 多い、やや多い、普通、やや少ない、少ない
8 建物の傷み具合は? 健全、老朽化、腐ったりしている
の項目から選択し、評点をつける。
総合評価は各評点のかけ算、1.5以上安全、1.0未満やや危険
その後、必要であれば、簡易現地診断(3万円)、精密診断・改修計画書(5万円)、耐震補強工事図面製作(12万円)となっている。

<2006年4月23日放送>
早期警報システムの動き
http://www.bousai.go.jp/jishin/epcf/epcf3/11-01.html
大災害の度に、見直しがされる。
昭和8年三陸大津波=> 昭和16年 仙台気象台で津波警報システム初、三陸沿岸津波警報組織が開始
昭和27年(1952)に気象業務法に取り込まれ予報開始(17分ほど)
昭和55年 気象資料伝送網の導入、58年日本海中部地震津波(14分)
昭和62年地震津波監視システムの整備
平成5年に、地震津波早期探知網の整備(S波からP波へ)7分以内へ
平成5年 北海道南西沖地震津波 5分
一方、外国では、
1946アリューシャン地震津波=>1949年米国での津波警報システムPTWC
1960チリ・1964アラスカ地震津波=>1965国際協力、国際津波情報センターも併設
2004年スマトラ沖地震・インド洋津波=>インド洋警報システム ?
暫定的に、気象庁や環太平洋津波警報センターが情報を提供
さらには、カリブ海・地中海・大西洋へも動きに

<2006年4月16日放送>
先進的な防災教育
近い将来高い確率で地震が発生すると言われている宮城県内では、様々な形で防災教育が行われています。特に学校での防災教育が充実しているのは気仙沼市です。自分の住んでいる地区が津波に襲われたらどうなるか、過去にどんな被害があったか、万が一の場合はどうしたらいいか、といったことを中心に、児童や生徒の皆さんと先生がた、地区の方々も一緒になって学んでいます。地震や津波のメカニズムを学ぶだけでなく、校区内を歩いて危険箇所を調査したり、地域の大人の話を聞いたりするなど、多彩な取り組みが行われています。
また、山間部の小学校では、災害時に校区が孤立することを想定して、体育館を利用した避難所宿泊訓練を行いました。このような体験を通した学習は、お子さん達の記憶にもしっかりと残るようです。

<2006年4月9日放送>
1946アリューシャン地震津波について
1946年4月1日、アラスカ・アリューシャン列島沖を震源として、マグニチュード7.8の地震が発生しました。
この地震と津波による死者は165名以上であると報告されています。
津波は、地震発生から48分後、震源に面したアラスカUnimak島を襲い、その破壊力をまざまざと見せつけることになりました。
Unimak島南部の太平洋岸には、1940年にScotchCap灯台が建設され、この海域を通過する船乗りの灯火となっていました。
約100フィート(30m)の高さのこの鉄筋コンクリート造りの構造物を津波が直撃。
地震発生から約5時間後、津波はハワイ諸島を襲いました。ハワイ全島での津波による犠牲者は159人。ハワイ島北東部のLaupahoehoeでは、5-10mの津波が来襲し、海岸に建てられていた学校の生徒・教師24人が亡くなりました。
現在、この場所にはグラウンドが広がり。太平洋を望む丘に犠牲者の名を刻んだ石碑が建てられています。
当時、津波来襲の異変を児童たちが大人たちに警告しましたが、当日が4月1日(エイプリルフール)であったので、信じてもらえませんでした。
残念な出来事が起こりました。

<2006年4月2日放送>
震度の歴史
ある地点での地震動によって生じた人体感覚や周囲の状況・被害の様子で、揺れの強さを表したもの。
そのため、地震の規模だけでなく、距離や地盤や建物の構造に関係が深いものです。
地震規模はマグニチュードという単位で表され、各地震に対して1つの値ですが、震度は各地で様々な値をとります。
1884年に、微震、弱震、強震、烈震の4つの階級から始まりました。
1898年に気象庁は、微震(感覚あるなしの2つ)、弱震(2つ)、強震(2つ)にして、7段階を制定しました。
1908年には、微震(感覚なし)を無感覚地震と呼び方を改め、各階級を文書による説明委を定めました。
1936年には、無感、微震、軽震、弱震、中震、強震、烈震の7つにしました。
1948年に、福井地震の際に、さらに激震を入れ、合計8段階になりました。
無感を気象庁震度ゼロにして、激震の7までに対応します。
現在は、さらに5弱5強(5は強震)、6弱6強(烈震)となり、10段階です。
漢字も言葉の意味があり、逆に数字より分かりやすいかもしれません。
現在は、地震の揺れの加速度(ガル)で分類した計測震度がテレビなどの速報値としてでます。
ただし、本来は、人体感覚や周囲の状況・被害の様子も考慮に入れたものです。
世界中には、同じような震度(階級)がありますが、説明は各国で、微妙に違います。

<2006年3月26日放送>
防災教育とチャレンジ防災講座について
全体スケジュール
  06年4月~07年1月まで、月1回(8月はのぞく) 全9回
テーマ 
地域・学校での安全と安心を確保するために、新しい地域と学校の連携プログラムを考える。
さらに、何かを提案しよう。
単に講座に参加するのではなく、一緒に議論し、教育プログラムの案を作成する。
場所と時刻
・ 場所 ・・ エル・パーク仙台 セミナーホール1・2
・ 時刻 18:00開場 18:15~開始 講演1時間弱、質疑30分
   講演1時間、少人数でのディスカッション、実技・実演も含む
講座予定
1. なぜ、地域と学校での連携活動が必要なのか?(首藤先生)4月27日(木)
2. 実践型学校教育の事例 防災マップ(小村先生)5月25日(木)
3. 学校でなにが出来るのか?(大沼先生)6月22日(木)
4. 防災心理を考慮した防災教育 (仁平先生)7月27日(木)
5. 県内でのチャレンジプログラム紹介(東北大・後田くん)9月
6. 仙台市から地域・教育防災活動について(京さん)10月
7. 地域での実践的な防災活動 (町内会など)11月
8. PTAの役割 (桂さん)12月
9. 地域と学校が一体化した教育プログラムを作ってみよう(今村)1月

<2006年3月19日放送>
平成18年度に釜石港で完成予定
釜石港は、明治三陸津波などで3,000人以上の犠牲者を出しました。
この明治29年の三陸津波に耐え得る湾口防波堤を整備するため、最大水深-63mと世界に例のない大水深への建設工事でした。
昭和53年に釜石の湾口に巨大な防波堤の建設プロジェクトを立ち上がりました。
防波堤の基礎の部分は捨て石のマウントと、上部はケーソンというコンクリートで構成されています。双方とも高さは30mあります。捨て石マウンドの表面の均し作業は、通常のように人力(潜水士)で行うには、水深が大きすぎて危険なので、機械を開発して導入されました。
重量16,000tの超大型ケーソンの設置など、桁外れの大規模整備が行われており、最大のケーソンは、長さ・幅・高さとも30mのもので、重量は16,000t幅960mの湾口部に建設され、もうすぐ完成です。
湾口防波堤の効果は2つあります。
1つは、入り口を狭くして津波のエネルギー(勢い)を低減します。
もう1つは、湾の形状と津波の周期により生じる共振という現象を抑えます。

<2006年3月12日放送>
ナマズと地震
昔から地震を予知する動物として知られています。
これは古くから、地震は、地底にいる大きなまずが起こすものだから、そのなまずを鹿島神社(茨城県)の要石(かなめいし)で 押さえつけようという信仰がありました。また、日本民謡のなかで災害が起こる前に 人間に警告を発すると言われています。
鹿島神宮神にて地震、災害除けの安全祈願が出来ます。
東京で発生した1855年安政地震は大きな被害を出したのですが、この時に、かわら版になまず絵」が登場し、さらにはなまず絵が地震よけのお守りになりました。
江戸時代に登場した新聞です。江戸や全国のニュースをすばやく人々に知らせました。火事や地震など、災害のニュースは、瓦版でよく取り上げられた話題です。
かわら版のなまず絵はだんだんと擬人化してきます。
相撲を取ったり。お酒を飲んだり,芝居をしたり、歌舞伎の格好をしたり、様々な絵があります。

<2006年3月5日放送>
改めてプレートについて
巨大地震(特に、海溝型地震)の発生の原因がプレート運動であることは教科書にも書かれています。
ただし、そこに誤りがあります。間違いの1つ。プレートという殻は、マントルという内部の上に乗って動いている、という説明です。
これは通常、卵の殻として比喩される運動ですが、実は、湯葉や牛乳の膜であったのです。
この違いは、何でしょうか?
卵の殻と中身(白身や黄身)は違う物質ですが、湯葉や牛乳の膜は、内部と同じものです。
このことは、専門書でも書いてあって、プレートとマントル(正確にはリソスフェア)、の境界は物質的な境界でなく、十分冷えたか否かの状態の違いである、と説明しています。
マントルはゆっくり、中心分から表面に向けて上昇し、冷えて密度が大きくなると、重くなり、内部へ戻っていきます。つまり対流があります。この対流は、プレートを動かしている訳ではなく、対流の一部なのです。

<2006年2月26日放送>
3月3日 昭和地震津波の話
1933年(昭和8年)3月3日午前2時30頃 おひな様、桃の節句の日に発生した。
場所は三陸はるか沖、プレートの沈み込み帯よりさらに向こう。
津波も伴い、死者行方不明者併せて三千名を上回った。宮城県内でも3百名を超えました。
沿岸各地で震度5以上を記録し、明治地震津波の際の揺れとは大きく異なります。
この地震のメカニズムは正断層と呼ばれるもので、プレートの折れ曲がり地点で発生したものです。
プレート自身の自重により引っ張られ、ちぎれた破壊で発生したものです。
昨年11月15日早朝に発生した地震M7.1と同じメカニズムです。
津波は三陸全域に来襲し、最大28.7mのところまではい上がりました。
明治29年からわずか40年あまりの出来でした。当時、やっと地域が復興した時の事です。

<2006年2月19日放送>
中央防災会議
先日、中央防災会議での専門調査会により日本海溝・千島海溝での地震津波の被害予測結果が出されました。
2年以上に渡って、13名の専門家か会議を重ねて結果をまとめました。
今回の被害の特徴としては、津波による被害が大きいこと。
様々なタイプの地震と津波があり、想定を選ぶことが難しいです。
新しい評価手法として、過去400年間の歴史史料に加えて、津波堆積物調査結果など最新の科学的知見を導入。
さらに北海道東北で深刻な冬季での対策、山間部での孤立化、津波による漂流物、観光地での対策など、新しい対策についても検討されました。
今後、対策推進地域が指定されたので、各地で対応がさらに進むと期待されております。

<2006年2月12日放送>
非常食
災害時には非常食のお世話になります。
非常食といえば、乾パン、アルファ米、ビスケット などがあります。
調理が簡単(水を多く必要としない)、長期間保存可能、あまり美味しくない保存食というイメージが残っています。
最近は、アルファ米でも赤飯、五目ご飯など、多種スティックパン、チョコレート、おかゆ、ピラフ、パンの缶詰、レトルト子供向け、ペット向けのものも出回りつつあります。非常食品ではないのですが、調理のための加熱、または浄水機能の袋もあります。古くから考えれば、冬場の食品、漬け物、おもち、金平糖、などあります。
アウトドアでの食事も、非常食の一種サバイバル・食事(メシ)=> サバメシ を考えていきたい

<2006年2月5日放送>
冬季の地震被害及び対策
1666年2月1日(旧暦1665年12月27日) 越後西部地震発生、M6程度 高田(いまの上越)を中心に強い揺れがありました。
積雪14-15尺(約4.5m)で地震。高田城も大きな被害であったが、さらに武家屋敷700余り、民家などの倒壊が多かった。これは、屋根にたまった積雪が荷重を増してことも原因。
さらに、夜になって火災が発生。逃げる場所も限られた住民が多く犠牲になりました。
死者1,400-1,500名にも及ぶ。
冬季には、積雪により道路の幅が狭くなること、凍結などにより斜面で車も人も動き辛くなることが指摘される。アクセル道路の積雪や凍結による寸断しました。
対策として、ロードヒーティングなどの凍結防止施設、消雪パイプ、流雪溝などの融雪・流雪施設の設置があります。

<2006年1月29日放送>
レスキューロボット、電磁波人命探査装置
阪神淡路大震災で教え子を亡くした大学教授らが中心なり研究機構を発足しました。
(NPO国際レスキューシステム研究機構)
捜索活動に役立つ、情報を収集出来るロボット。
人の入ることが出来ないところや、見えないところを探知する。
例えば、
・瓦礫内探索ロボットスネーク型、
・操作性を考慮した情報収集、戦車型、バルーン(気球型)、
・ 電磁波人命探査装置(シリウス)、心臓の音、電磁波により、心臓の鼓動
・肺の拡大伸縮の動きをキャッチ
毎年、コンテストが実施されている。レスコンという名前
2006年は第6回になります。7月に実施予定。応募締め切りは1月末
フィールドといわれる場所で救出活動(ダミヤンを探す)が行われる。
ダミヤンの数、機能性・ユニーク性などで評価しています。
昨年は、大学、高専、高校を中心に22校参加。一般12、特別招待2

<2006年1月22日放送>
後藤先生ゲスト
私は、昨年の12月にキューバに現地調査に行ってきました。今回の調査の目的は2つあります。1つは、6500万年前に恐竜を絶滅させた天体衝突が地球環境に及ぼした影響を調べることです。キューバは、衝突地点となったメキシコのユカタン半島のすぐ近くに位置していて、このような研究に適しています。衝突後には巨大地震、津波、二酸化炭素による急激な温暖化、酸性雨など、現在の地球環境変動と良く似た現象が複合的に起きて恐竜の絶滅を引き起こしたと考えられていますが、その詳細はまだ良くわかっていません。今回の調査で、衝突後の地球環境を高解像度で調べることが出来る、たいへん保存状態の良い地層を発見することができました。今後の調査、分析で、衝突による大環境変動から、地球がどのように応答して回復していったのかを明らかにしたいと考えています。これは、現在の環境変動を考える上でも重要です。地球環境がこの先どうなるか誰にもわからないわけですが、こうした過去の事例を参考にすることが重要です。

もう一つの目的は、カリブ海での津波研究と対策について、現地の専門家と打ち合わせをすることでした。インド洋大津波発生を受けて、現在カリブ海諸国でも津波対策が急務となっております。今回、キューバの環境大臣主催のシンポジウムで日本の津波研究を紹介する機会を頂き、またカリブ海での津波研究と対策についても伺うことができました。興味深かったのは、キューバで記録に残っている過去の津波の中で規模が大きかったのは、1755年にポルトガル沖で起きたリスボン地震津波だったようなのです。リスボン津波は、ポルトガルと周辺国に多大な被害を及ぼしたことが知られていましたが、はるか大西洋を渡ってカリブ海諸国にまで被害を及ぼしていたようなのです。このように遠隔地にも影響を及ぼす津波は遠地津波といって、インド洋大津波やチリ津波が代表例です。このように、カリブ海諸国で得られる情報はカリブ海に限ったものではなく、大西洋沿岸各国での津波対策を考える上でも重要であると考えています。

今回の打ち合わせで、特に重要だと思ったのは、防災教育です。1755年の津波のことなど今ではほとんどの人が知らないわけですし、津波の恐ろしさを体験したことの無い人が多い国での防災教育をどのようにしていくかは大きな課題です。これは、キューバに限らずその他の多くの国にも当てはまります。その点で日本と日本人の役割は大きいと思います。例えば“稲村の火”は諸外国後に翻訳されて出版されていますが、日本での体験を海外に伝えていくことが重要です。また、日本で大きな地震・津波があると、海外でも報道がなされています。我々が地震や津波に対してどのような対応をしたのかは諸外国の人が見ており、参考にしていることも知っておいて頂ければと思います。

<2006年1月15日放送>
阪神淡路大震災(11年目) 越村先生ゲスト
阪神・淡路大震災より11年目を迎えて

平成7年 1月17日5時46分
死者・行方不明者 6436名
住宅全壊 約10万5000棟
「災害につよい社会」を作るためのとりくみ。災害の記憶、教訓を忘れない、
後世に残す
・万一に備えることの大切さ
  巨大地震など起きるはずないという油断→無防備、無警戒
  スマトラ沖地震の事例
  被害想定(宮城県第三次)
  被害想定の意味、最悪の場合を想定して、何も対策をせずにこのままだと・・・・
  これが対策のスタート。悲観的になる必要はない。
  まずは自分のすむまちが、どのような災害が心配されているかを調べる。
  私たちの命、わたしたちのまちは私たち自身が守る。
・助け合いの大切さ
  地域の人のつながりが特に都市で希薄になりつつある。
・どのように万一に備えるか
  防災に特化した備えは長続きしない。
  阪神・淡路大震災の被害拡大原因をみると・・・
  ・家屋の倒壊→住宅の老朽化
  ・コミュニティの希薄さから初期消火の遅れ
  →ライフスタイル、日常の生活のありかた。安全な社会、安心な社会。
・災害の記憶と教訓をどのように残すか
  11年。思い出したくない想いと忘れてはいけない想い。教訓の風化
  教訓のありかた。これまで経験したことのない人、これから経験するであろう人々にどのようにして伝えるか。残すか。
  →防災教育のありかたが問われる私たちは何ができるか・・・
・知識をどのようにして伝え、それを知恵とするか。「見識」とするか。
「見識」=物事の本質を見通すすぐれた判断力
スマトラ沖地震の10歳のイギリス人少女の例:2週間前に地理の授業で習った
津波のことを思い出し、100名の命を救った。見識の一つの例。

<2006年1月8日放送>
2006年防災の課題
緊急地震速報、地震早期情報の実用化、津波GPS津波計などの設置の検討、
デジタル放送の開始=>災害情報が詳しくなります。
宮城県など自治体からの災害情報への期待も大きい。現在、
HPアンケートによりみなさんからの意見を収集中。
特に、観光地などでの風評被害については、きちんとした情報発信が大切。
地域や学校での防災教育や対応が必要、防災・安全マップの作成(11月コンテストがありました)、
情報交換や意欲向上の機会が必要。
新しい取り組みが必要です。

<2006年1月1日放送>
自然災害は大きな被害を出しますが、実は我々の生活に恩恵を与える事例もあります。
火山噴火により、温泉や美しい風景などの観光資源、灰が畑の栄養・肥料になり、鉱物が産出されます。
また、洪水は肥沃な土砂供給し、農業にとっては不可欠なものです。
では、地震や津波による恩恵はあるのでしょうか?

地震活断層では?
l 自動車道(中国・中央自動車道、シルクロード)など、活断層の直上を走っているものが多いようです。
l 山脈など複雑な地形を作り景観がよい
l 断層が良い地下水脈を形成=>美味しい水は、お酒も生みます(阪神淡路大震災が生じた六甲や灘は、有名なお酒があります)。
津波は?
l 閉鎖湾などで一気に湾内水の交換が出来る(最近では2003十勝沖地震津波の大船渡の例)
l 海底の堆積物を押し流し、新たな環境を形成、水産資源の増加を促すこともあります
(北海道南西沖地震の奥尻では10年経ったいま、ウニなどの漁獲高が以前を上回ったと聞いたことがあります)