<2005年12月25日放送>
スマトラ地震津波から1年が経ようとしています。
今後の日本の防災を考えるうえで、認識を改めるべき点と、再認識すべき点は?
l 観光地での地震津波対策
l 鉄道などの交通機関の対策
l 津波の被害は、波高だけでなく流速や流体力が関係する
l 瓦礫を伴う津波の浸水・陸上への遡上
l 船舶などの漂流物への対策
l 効率的な復旧や復興の必要性(強まち作り);災害のサイクル
このような点を我が国の対策にも活かしていかなければなりません。
なお、インド洋大津波と日本の海溝型地震の被害の有様の異なる点もあります。
l 我が国沿岸には、防潮堤・防波堤などの施設がある
l 津波警報システムがある
l 鉄筋構造物の強度はより強い

<2005年12月18日放送>
干渉SAR
SARは英語の「Synthetic Aperture Radar」 の頭文字をとったもので、日本語では「合成開口レーダー」といわれます。レーダーは気象などではおなじみ。地震や火山活動による地殻変動、などを測定可能。わずか1センチでも監視できます。

レーダーはアンテナから電波を発射し、観測する対象物に当たって反射された電波を観測できます。
この反射された電波の強さから、対象物の大きさや表面の性質がわかり、また、電波が戻ってくるまでの時間を測定することで、距離も測定できます。大きなアンテナ(開口)を使えば詳しく測定ができます。10m程度を知るためには、1kmを越えます。そこで、飛翔体(人工衛星や飛行機など)が移動しながら電波を送受信して、大きな開口を持ったアンテナの場合と等価な画像が得られるように、人工的に「開口」を「合成」するのが「合成開口レーダー」です。利点として、レーダーは雲を通過するため、天候に左右されることなく観測できます。夜でも大丈夫です。
その他、地滑り、氷河の移動、地盤沈下なども把握できます。防災の面も期待されている技術です。

<2005年12月11日放送>
昭和東南海・南海 地震津波
昭和19年(1944)12月7日、昭和東南海地震が発生。マグニチュード 8.0。震源地は、志摩半島南々東約20キロ沖の海底。この地震による被害地は静岡・愛知・三重の東海三県をはじめ、長野・山梨・岐阜・和歌山・大阪・兵庫などの各府県に及ぶ。1,223 人の死者・行方不明者など大きな被害を出した。家屋被害や死者の多くは津波による。さらに、2年後の46年12月21日、四国沖の南海道地震が発生。
海溝型地震である東南海、南海地震は、歴史的に見て100年から150年間隔で、マグニチュード8程度の巨大地震を発生させている。
昭和東南海地震では、東海地震の想定震源域が未破壊のまま残り、昭和南海地震は、それ以前に同地域で発生した地震に比べ、やや小さい規模で、今世紀前半にも、当該地域で巨大な地震が発生することが懸念されております。
今後30年以内の発生確率は、東南海地震は、50%程度、南海地震は40%程度と推定されております。
専門調査会は平成15年9月、「東海」「東南海」「南海」の3地震が同時発生した場合の被害想定を公表した。発生時刻などで被害状況は変わるものの、最悪の場合、死者は約2万4700人、震度7の激しい揺れや10メートルを超える津波で約96万棟の住宅などが全壊、経済被害は約81兆円に達するとしている。

<2005年12月11日放送>
昭和東南海・南海 地震津波
昭和19年(1944)12月7日、昭和東南海地震が発生。マグニチュード 8.0。震源地は、志摩半島南々東約20キロ沖の海底。この地震による被害地は静岡・愛知・三重の東海三県をはじめ、長野・山梨・岐阜・和歌山・大阪・兵庫などの各府県に及ぶ。1,223 人の死者・行方不明者など大きな被害を出した。家屋被害や死者の多くは津波による。さらに、2年後の46年12月21日、四国沖の南海道地震が発生。
海溝型地震である東南海、南海地震は、歴史的に見て100年から150年間隔で、マグニチュード8程度の巨大地震を発生させている。
昭和東南海地震では、東海地震の想定震源域が未破壊のまま残り、昭和南海地震は、それ以前に同地域で発生した地震に比べ、やや小さい規模で、今世紀前半にも、当該地域で巨大な地震が発生することが懸念されております。
今後30年以内の発生確率は、東南海地震は、50%程度、南海地震は40%程度と推定されております。
専門調査会は平成15年9月、「東海」「東南海」「南海」の3地震が同時発生した場合の被害想定を公表した。発生時刻などで被害状況は変わるものの、最悪の場合、死者は約2万4700人、震度7の激しい揺れや10メートルを超える津波で約96万棟の住宅などが全壊、経済被害は約81兆円に達するとしている。

<2005年12月4日放送>
実物大3次元振動破壊実験装置 http://www.bosai.go.jp/hyogo/
独立行政法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター 兵庫県三木市
1995年兵庫県南部地震でビル、木造家屋、橋、道路、港湾など多くの構造物が未曾有の被害をだした。
これを契機に、今までの構造物の耐震性の評価方法を見直す必要が認識。
この解決の一つに、構造物の破壊過程を調べることが重要となった。
実大・三次元・破壊という施設が2005年4月から開始
対象としては、木造住宅、鉄筋コンクリート建物、橋梁、液状化、危険物貯蔵タンク
今年11月の始め、京都の伝統的な2階建て木造住宅「町家」を世界最大の震動台で揺らす実験を実施。
京都市内から移築した住宅、移築した住宅と同じ軸組の新築住宅、計2棟の住宅を同時に実験
1932年に建てられた2階建て住宅で、柱や壁などに補強を施したもの。
地震に弱いとされる町家だが、縁側に壁を増やすなどの耐震補強をすることで、震度6弱の揺れでも倒壊しない。
町家はしなやかな動きで揺れを吸収していたようである。

<2005年11月20日放送>
15日午前6時39分ごろ、北海道から東北、関東北部にかけて震度3の地震
気象庁は一時、津波注意報を出し、大船渡で午前7時35分に最大50センチの津波を観測
震源地は三陸沖で牡鹿半島の東約310キロ。
震源の深さは浅く、地震の規模はマグニチュード(M)7.1と推定
想定される宮城県沖地震との関連については「震源域がかなり離れている。想定地震は逆断層型だが、今回は正断層型でメカニズムも異なる。直接的な影響はないだろう」と推測
垂直方向に走る断層を挟み、沖側が隆起し陸側は沈降する正断層型だったため、引き波が最初にきた」と分析1933年の昭和三陸地震=マグニチュード(M)8.1=の津波も引き波から始まっており、メカニズムは同じ。

<2005年11月13日放送>
国際緊急援助チーム  1970年代後半のインドシナ戦争により大量に発生したカンボディア難民に対し、当時民間ボランティア組織が整っていた西側主要国では素早く医療チームをタイ・カンボディア国境周辺に派遣し救援活動に乗り出しました。しかし、我が国は派遣できませんでした。 難民や災害を対象とした国際救急医療チーム(JMTDR)を1982年にJICA(国際協力機構)を通じて派遣するシステムを始めました。その後、1985年メキシコ地震、同年11月コロンビア火山噴火などで派遣されました。現在、救助チーム・ 医療チーム・専門家チームの3つがそれぞれまたは組み合わせて派遣されています。パキスタン地震の被災者救援のため、医師や看護師、薬剤師などで構成する政府の国際緊急援助隊医療チーム21人が10日に派遣されました。  団長の甲斐達朗・大阪府立千里救命救急センター所長は「病院が完全につぶれているという情報もある。一番厳しい現場になると思う」と指摘した。警察や消防、海上保安庁の専門家ら救助チーム49人も出発しました。我が国での豊富な経験や技術を災害救助や復旧復興に役立てて頂きたい。

<2005年11月6日放送>
10月8日パキスタン北部地震
世界時間で8時50分((日本時間同日午後0時50分)M7.6震源から95km離れた首都イスラマバードでもビルが倒壊して多くの死傷者が出しました。犠牲者が最も多いのはパキスタン側カシミールの中心都市ムザファラバードで、1万1000人以上が死亡。パキスタン軍が医師団を派遣するとともに、野戦病院を設けた。最終的な死者は4万人にも及びます。
破壊は震源から北西と南東の両方向に伝幡しました。破壊開始点(震源)は9kmですが、主破壊は、震源より浅い領域(0-9km)の範囲に集中しています。
浅い領域で主破壊が起きたことにより、震源域近傍では被害が拡大したと考えることができます。
地震はプレート境界だけでなく、衝突帯でも発生します。今回の地震は、過去繰り返し大地震が襲う場所地震地帯で起こったもの。この地域はインドプレートがヒマラヤ山脈の地域にさしかかって衝突帯となった場所であります。破壊領域の大きさ、規模、震源メカニズムは1999.9.21台湾地震と似ています。
深さ10Kmで大きな地震エネルギーが放出されると表面波として伝播しやすく、長周期震動(1サイクル5秒~10病の揺れ)になる可能性があります。
今回90Kmも離れたイスラマバードで多くの高層アパートなどが倒壊したのは、この長周期震動によるものも考えられます。また、周辺地域は日干しレンガを積み上げただけの揺れに弱い建物が多く、被害拡大の原因となりました。

<2005年10月30日放送>
中越地震一周年
新潟県中越地震が発生してから、1年が経ちました。
大変な被害をだし教訓がありましたが、ラジオの重要性が再認識されました。
この大震災では、被災地コミュニティfm局であるfm長岡・fm雪国が被災者向けの災害放送を徹底して実施し、コミュニティfm局が被災者のライフラインであることが実証されました.「JFNパパラビジョン」が被災地避難所や災害対策本部に設置され、行政からの情報が文字情報となりリアルタイムに被災者へ届けられました。
また、新しい課題も我々に投げかけました。
連発する余震、崖崩れによりせき止められた川に発生したダム、車の中での避難の危険性(エコノミー症候群)、地震防災ハンドブックでも取り上げたペットの防災、などがありました。
「山古志村のマリと三匹の子犬」桑原慎二・大野一興さんの著書、文藝春秋刊、を紹介したいと思います。
マリは親子三代にわたり山古志村で育った犬。3匹の犬を産み、初めてお母さんとなった10月23日の夕方、地震が起きます。家は傾き、犬小屋も壊れました。マリは子犬たちを安全な場所に置き、崩れかけている家へ向かいます。
なぜでしょうか?そこには要介護のおじいさんがいたのです。ところがマリは避難先に連れて行くことが出来ず、置いていかれました。「ペットは家族の一員」「災害時には動物は2の次」と考える両方の方に読んで頂きたい本です。

<2005年10月23日放送>
植生による津波被害軽減   インド洋大津波で脚光をあびました。
植生は、マングローブや松などの防潮林、我が国では古くから認識、維持されています。
1)背後地への津波の低減効果(チリ津波 志津川町・南三陸町)
2)漂流物の内陸への侵入阻止(日本海中部、秋田北海岸)
3)海域への流出阻止(人命救助)(インド用各地)
4)砂丘の形成・維持(米国、ハワイでも)
防潮林が津波に対して被害を拡大させるよう働くこともあります。
樹木自体が漂流物となり家屋や構造物への衝突による二次被害を引き起こす可能性を持ちます。

<2005年10月16日放送>
バンダアチェでの視察調査
9月22日から30日までインドネシア出張に行ってきました。
主な目的としては、
l 9ヶ月後の復旧復興状況の把握
l 現在の課題だけでなく新しい活動・対策・取り組みを把握
l 部分破壊の建物調査(津波の作用力を推定
です。
今回の調査で分かった主な結果は、
l 仮住宅が建設されている。無秩序に街が再建される可能がある
l 下水・排水システム破壊、地盤沈下、森林伐採、により洪水危険性の増大
l 建設材料・資材の深刻な不足
l 新しい試みも展開中(住民参加型WS、ラジオ啓蒙番組)
l リアルタイム地震情報(4カ国)を利用した津波警報システムの開発が必要
になりました。

<2005年10月9日放送>
GPS津波計
GPSは、米国が軍事用に計画し、運用している全地球測位システム(Global Positioning System)
地上高2万kmの6軌道に4個づつ配置した計24個の衛星を用いて、地球上の緯度、経度及び標高を計測できる。
カーナビの普及によって、広く一般に知られる。
その測位における精度は、測位方法によって異なる。
単独測位 C/Aコード ~30m
相対測位(DGPS)C/Aコード~3m
搬送波位相~3cm~1cm
このセンサーを沖合のブイに設置して、その上下成分をリアルタイムで計測する(1秒間隔)
2001-4年の間、大船渡市沖合で実証試験を経て、現在、四国室戸沖で測定中、沖合13km
昨年の東海沖地震による津波をキャッチ、沿岸来襲の10分程度前に10cm程度の成分を検出
沿岸では3倍の32cmになっていた。
三陸沖、宮城県沖で設置できるように、各機関で努力している。

<2005年10月2日放送>
新しいタイプの授業・講座
寒河江高校、出前講座、メイフラワーカレッジ講座を実施
1、2年生対象、大学の先生を講師に14名、パラレルで実施。
テーマは、最上川流域の石器文化、国際社会での貢献、21世紀の福祉、人工知能、食環境まで14テーマ。希望で選ぶ。東北大、山形大、東北芸術工科大、福島大などから派遣。
私は、地震津波災害について、地球は生きているー優しさと突然の脅威というテーマで実施、38名希望。
サイエンスカフェ
東北大学が初めて実施した公開講座。
せんだいメディアテーク1階のオープンスクエア/カフェを会場に、毎月1回のペースで開催します。予約なしに、無料で、誰でもその場で自由に参加できるスタイルです。職場での仕事や学校が終わってから参加できるように、平日の18:00-19:30に開催します。
http://www.sci.tohoku.ac.jp/cafe/ 第3回 2005/10/17(月)
自然の驚異 ~2004年スマトラ地震・津波~ で実施予定

<2005年9月25日放送>
女川原子力発電所
8.16宮城地震では、原子力発電所建屋基礎盤上(保安用観測震度計)での加速度が251ガルを記録
設計用最強震度(250)を上回り、自動停止した。現在も点検が行われている。
この設計用最強震度は各発電所で1万年間に起こりうる最大の想定最大値。
この値を上回ったのは初めて。
原子力施設に対しては、地震や津波に対する安全性の確認は十分実施。
設計用最強震度をS1(過去1万年に活動した活断層と記録に残る過去の地震)
設計用限界地震をS2(過去5万年に活動した活断層やM6.5の直下地震も考慮)
という地震を想定して、対応。
地震による地盤・建物の揺れと建物の揺れは重要。今回基盤では200gal、屋上では1000galにも達し多く異なる。
揺れには周期があり、建物もある周期に対して揺れ易いという性質がある。
従って、地震の卓越した周期がどの位で、それが建物に対して、どの程度影響あるかが大切。
設計には余裕があるのでただちに心配はない。ただし、今回の地震が特別なものであったかなど、耐震設計の指針については確認する必要がある。

<2005年9月18日放送>
韓国済州島での国際会議
第3回になるアジア太平洋の海岸工学についての会議
参加は、日本、韓国、中国を始めとする、15各国以上。
9月4-8日まで開催。今回は、スマトラ沖地震・インド洋大津波の特別セッションが開催。
3日間、夕方6時半から8時半まで、実施。
インドネシア、タイ、スリランカ、米国、台湾、日本から、調査を実施した研究者が報告
特に、津波の発生から沿岸までの伝幡の特徴を議論。
当時の、調査の困難さ、被害のすごさをまず紹介された。
島周りの津波、陸上遡上した津波エネルギーに、漂流物についても。
印象的であったのが、最も被害の大きかった地域の復興、内戦により治安の悪化もあり、手つかず。
済州島は、人口30万人くらいの観光の町、韓国ドラマ、オールインやチャングなどのロケ地としても有名

<2005年8月28日放送>
防災の日
関東大震災これを契機に、9月1日を我が国の防災の日に。
我が国の首都東京では、大きな地震が過去発生している。代表的なものが大正12年(1923年)の関東大震災である。
9月1日の11時58分の昼間、と湯前、神奈川西部から相模湾、さらには千葉県房総半島の先端にかけての断層が動いた。強い地震と大火災で、10万人以上の犠牲者が出た。日本の歴史上最悪の自然災害であった。
この付近では、日本列島が乗っているアジア・ユーラシアプレートの下に、(太平洋プレートや)フィリピン海プレートが相模トラフで沈み込んでいる場所であり、過去繰り返し大地震が発生している。
先日、先週7月23日夕方(4時3分頃)、首都圏直下地震が起こりました。幸い人的被害は少なかったのですが、交通障害やエレベータでの支障がありました。現在、国などで首都直下型地震の被害想定が実施されています。

<2005年8月14日放送>
中央防災会議での地震・津波の評価結果について
先月中央防災会議から強震動と津波の評価結果が出ました。
今後、地域で防災対策を推進する地域指定が行われる予定です。
今回の整理にあたっては、大きな地震が繰り返し発生しているものを対象としました。
例としては、択捉島沖、十勝沖・釧路沖、三陸沖、宮城県沖などの地震があります。
新しい対象としては、北海道における500 年間隔地震です。
地層に残された津波堆積物の調査からその存在が確認されています。
その結果としては、
・日高地方東部から根室地方南岸にかけて殆どの地域で5m以上の津波
・えりも町、広尾町、釧路町付近では15m以上の津波

<2005年8月7日放送>
7月24日にタイ・スリランカからの研修生に来て貰いました。
本日は、津波防災の技術研修について紹介します。大きく分けて2種類の研修内容を準備しました。
1つめは、大学で地震・津波の基礎やシミュレーション方法を学ぶことです。大学での講義や住民啓蒙活動を行って欲しいとも思います。さらに、教材をいっしょにつくりたいですね。
帰国後に、ハザードマップなどを作成し、住民や行政の方と対策について話し合って欲しいと思います。
2つめは、防災関係機関の訪問と三陸沿岸域へ視察です。実際にどのように災害発生時などで、対策をとっているのか見て貰いました。気象台を始め、国、県、市などの機関を訪問し、担当者と交流致しました。さらに、最後に志津川、気仙沼などの沿岸を視察しながら、自ら、避難訓練、津波調査、マップ作成のワークショップなどに参加し、体験してもらいました。僅か1ヶ月でしたが、充実した勉強をして頂きました。
僅か半日でしたが、輪王寺にも一緒に見学させて頂き、建物や庭を拝見するだけでなく、ボランティアで植林している活動も拝見しました。様々な樹木を植え、その土地に合った植生を育てるやり方です。大変関心を持ったようです。

<2005年7月31日放送>
先週7月23日夕方(4時3分頃)、首都圏直下地震が起こりました。
マグニチュードは6で気象庁は、千葉県北西部地震と呼んでおります。
東京都で震度5強(足立区の一部)、埼玉、千葉、神奈川で震度5弱を記録しました。
深さ73kmと言うことで、大分深い地震です。太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界での地震です。
東京23区で震度5以上を観測したのは、1992年2月2日の東京湾で発生したM5.7の地震以来です。
今回は、東京湾沿岸部や埼玉と東京の境界付近で震度5弱がでたようです。
ビルのエレベータの停止(なんと5万台が停止)、交通機関の混乱、立体駐車場での被害があったようです。29人が重軽傷を負いました。また、ガスの供給停止への電話が殺到した。安全装置により停止したものの回復方法が主です。これは事前に覚えておきましょう。
マイコンメーターの確認が必要です。赤ランプが点灯しています。まずは、ガス器具を止めます。
復帰ボタンを置くまでしっかりと押し、手を離します。
3分間待ち、赤ランプが消えれば、またガスが使えます。まだ点灯していれば、異常があります。
詳細は仙台市ガス局のHPの「緊急時・災害時」を見て下さい。

<2005年7月17日放送>
海水浴での安全について
*海水浴場を選ぶときは?
必ずライフセーバーのいる海水浴場を選びましょう。ライフセーバーは海水浴場で事故が起こった時に助けてくれる浜の救急隊です。
*海水浴場に必ずたっている旗の意味は?
青色の旗--------海水浴に適しています。楽しんで遊べる状態です。
黄色の旗--------海の状態が不安定です。定期的に大きな波が定期的に入ってきたり、引き波と呼ばれる沖に向かって流れるところがあります。
離岸流とは、海岸付近で局地的に沖に向かって流れている潮流です。水は波によって岸まで運ばれますが、同時に岸から沖合いに戻る流れもあります。
この離岸流に巻き込まれると、どんどん沖に流されて、非常に危険です。幅と速さ幅は10~30メートル、速さは秒速約2メートル以上であり、この速さはオリンピック選手のスピードより早いため、流れに逆らって岸に向かうことは不可能です。流れが速いので、それに逆らうことは著しく体力を消耗し、危険な状態となります。離岸流の幅は狭いので、とにかく横(岸に平行)に向かい、離岸流から脱出する。
赤色の旗--------遊泳禁止の意味です。
*たすけてのサインは?
浜(ライフセーバー)に向かって片手を大きく振ってください。
津波に対する対策も忘れずに,地震の揺れを感じたり,避難指示があったらすぐに安全な場所に移動。
この安全な場所は?事前に,高い場所(台地や丈夫な建物)の確認。

<2005年7月10日放送>
インド洋大津波災害から半年が経過して
30万人の死者・行方不明者を出したインド洋の津波災害から半年が経った。3万5千人以上の死者が報告されているスリランカからの調査を通じて、以下のことが分かった。
津波災害からの復興の難しさ
土地利用規制区域(バッファゾーン、海岸線から100メートル)の内と外の生活環境の格差が大きい。雨期に入り、被災者の生活環境はさらに悪化しており、復興計画の策定は、災害後では遅い。復興も視野に入れた対策(事前復興の考え方)が重要である。津波の被害は免れない。被災後、できるだけ早く社会の安定を取り戻し、復旧・復興を果たすかを考えることも災害対策として位置づけられる。

<2005年7月3日放送>
中国での地震
中国は大陸に位置しており,日本と比べて地震の発生頻度は低いと言われますが,国土が広いこともあり,直下型の地震により大きな被害を受けています。
日本と同様に地震史料が豊富で「中国地震目録」というカタログが残されています。紀元前1831年にも遡れます。
M8以上の大きな地震は19を数えます(1303年から)。
1556/01/23,華県地震,中国,830,000,地震災害史上最大の死者数
1920/12/16,海原地震,中国,8.5 220,000
1975/02/04,海城地震,中国省,7.2,1,300,予知に成功(水準測量,地磁気,微小地震観測,各種動物の異常)
1976/07/27,唐山地震,中国,7.8,240,000,20世紀最大の死者数

<2005年6月26日放送>
リアルタイム地震情報
緊急地震速報とは、地震観測網から得られた地震発生情報を即座に伝達し、住民の生命を守る(危機の軽減)ことや社会経済に与える損害を軽減するための情報です。
地震波には伝播速度が速い「P波(初期微動)」と、伝播速度は遅いが大きな揺れを起こす振幅の大きい「S波(主要動)」があります(1.7倍違う)。震源の近くでP波を地震計が検知して、地震の規模や位置を即時的に求め、それを的確に伝達するシステムが構築できれば、多くの場合地震の大きな揺れが到着する前に防災対策を実行することが可能となります。宮城県沖地震の場合,仙台での余裕時間は15秒ほどあります。
現在,長町小学校,東北大病院,ハイテク工場などに整備を計っています。
「リアルタイム地震情報(防災科学技術研究所)」と「ナウキャスト地震情報(気象庁)」を実用化に向けて統合し、地震情報を高速・高度化し、迅速で正確な伝達手法の開発を行います。

<2005年6月19日放送>
インドネシア訪問
目的は、バンダアチェでの復旧復興状況の把握とジャカルタで津波科学と対策についてのワークショップへの招待。
まず、スマトラ沖地震津波で最も被害の大きかったバンダアチェへ。
アチェ州の州都で人口26万人、現在は19万人、つまり7万人が死亡、3km以内の沿岸部に集中。
現在も1.5万人が行方不明、沿岸部での住居はほぼ壊滅、2600トンの大型船も3km内陸へ移動。
日本を始め各国が援助をしているが、復旧復興はまだ。
市内中心部でのがれきは撤去され、新しいまち作り計画を策定、しかし、沿岸部は手つかず。
沿岸部は、今後緑地帯や公園になる予定。マングローブなどの緑地帯は、津波減衰効果を持ち、環境保全にもよい。うまく管理すれば、魚やエビの養殖場になる。(かつては、そうであった)
訪問の後半は、インドネシア海洋水産省からの招待を受けて、津波の科学について講演、発生伝幡のメカニズムや我が国の津波災害をはなす。三陸や奥尻島での被害と復興の姿を紹介。インドネシアの専門家からは、津波発生頻度や対策(警報やハザードマップ作成)が披露。質問として、バリ島などの観光地での対策をどのように考えたらよいか?一般住民の津波の意識を向上させるにはどうしたらよいかなどが出た。

<2005年6月5日放送>
宮城県沖地震
1978年6月12日夕方5時14分に発生。夕方 27年前になる。
78年の宮城県沖地震は、マグニチュード7.5 最大震度5を記録しました。死者28名,負傷者1,325名を出しました。
死者のうち18名は倒れてきたブロック塀などの下敷きとなって死亡した人である。
被災戸数全壊 1183 半壊 5574
丘陵地帯を造成して宅地化した地域に被害が集中した潮所で観測された津波の高さは最大でも仙台新港の49cm 都市型地震災害 高層マンションの被害 丘陵地宅地造成地の被害 ブロック塀による人的被害 人工造成地における工業,流通業務団地の被害 ライフラインの被害(特に都市ガス被害)などの被害があった。

わが家の地震防災ハンドブック
ご希望の方はメールにてご応募ください。

<2005年5月29日放送>
地震・津波・火山噴火の話
これらは我が国を代表する自然災害
世界でも我が国は、大変多い。面積は世界の0.2%にも関わらず、地震は20%・津波は30%・火山は7%にも及ぶ。
まさに多発地帯。
これは、日本列島付近では、太平洋プレート・フィリピン海プレート・ユーラシアプレート及び北米プレートの4枚のプレートが相接しており、それぞれにゆっくり動いており、それらの境界で歪みがたまりやすい。また、境界は地球内部との連絡口であり、マントルという高温度の溶岩が出やすい場所。
それぞれが、発生しやすい場所にあるとうことと、発生の要因・原因になりやすい。
津波は、地震だけでなく火山でも生じる。
火山は、地震で生じることも。
地震は、火山で(マグマの上昇で〕誘発されることもある。マグマに含まれる水分(水蒸気)が岩盤を柔らかくする?

<2005年5月15日放送>
FM仙台作成による防災パンフレット
防災ハンドブック
知識足りて、防災を知る!の巻
なぜ? なに? 地震、津波、土砂災害のABCプレート間地震、内地震、宮城県沖地震、チリ津波、インド洋大津波被害
その行動が、身を助ける!の巻
あっ、地震だ。どうする? 時系列的にとるべき行動を羅列、自分の身はこうして守る「屋内編、家、マンション、学校、マンション、地下街、屋外編、電車・バス、路上、山・沿岸揺れはおさまった。次なる敵は「火」だ迷わない、まどわされない。正しい情報を確認せよ。ラジオの大切さ、次は避難、屋根瓦、ブロック塀などへの注意避難所での守ってほしい10ケ条ペットを震災から守ろう
備えあれば、うれいナシ! の巻
一次非常持ち出し品のチェック、2次もある
家の中での安全対策
耐震診断とは? 住まいのチェック、相談窓口地震なんかに負けないぞ。私たちのまちは、みんなで守る。
「いつか」に備えて、わが家も月に一度は、防災サミット。
■仙台国際交流協会
http://www.sira.or.jp/
▼各国翻訳サイト
日本語
英語
中国語
韓国語

■毎年6月12日実施の 仙台市総合防災訓練から

大規模地震発生を想定し、初期消火、避難、救護などや地震体験車で実際に体験できる訓練を実施するなど市民の防災対応力の向上を図っています。
Date fmは文字多重放送「見えるラジオ」で防災訓練の模様を放送しています。